G検定(公式名:ジェネラリスト検定)について、試験の概要、出題傾向や問題の特徴、対策法について解説いたします。
キャリアアップのため、あるいは、AI・データサイエンスを体系的に学ぶきっかけとしてG検定を検討されている方、挑戦される方の参考になれればと思います。
G検定の概要
G検定とは
G検定は、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA; Japan Deep Learning Association) が実施している資格試験です。その目的は、人工知能(AI)やデータサイエンスをビジネスに活用できる基礎知識を有しているかどうかを認定することです。
G検定の「G」は「ジェネラリスト(generalist)」。「幅広い基礎知識を有し、適切な活用方針を決定して事業応用する能力を持つ人材」とJDLAでは定義されています。
試験の概要は以下となります。
公式サイト:資格試験について – 一般社団法人日本ディープラーニング協会【公式】
合格者数と合格率
2017年12月に第1回目のG検定が実施されて以来、受験者数と注目度がここ数年大きく伸びてきました。これはAI人材育成の需要の上昇を反映しています。
下図は受講者数の推移と2021年第3回目の試験の受験者数と合格者数を表しています。
JDLA 試験実施レポートを参考に作成:https://www.jdla.org/news/20211119001
「合格率」は 60~70%程度です。
※合格率とは合格者数の割合であり、正解率(合格基準)ではありません
※合格基準および過去の試験問題は非公開です
このような方におすすめの検定
- 仕事・学業に必要:人工知能、データ分析、機械学習、ディープラーニングのプロジェクトに携わる方、事業を開発する方
- 教養・スキルアップ:AI・データサイエンスに興味を持ち、今後必要なスキルとして認識
受験するメリット
G検定を受験すると、AIに関する知識を幅広く・集中的に・体系的に学べて、得られた知識を肩書きで証明できます。合格者はG検定ロゴマークを名刺や履歴書、プレゼン資料で使うことができます。
G検定の出題傾向
過去の試験問題や合格基準が非公開であることから、十分な情報を得られない不安を感じるかもしれません。そこで、学習をサポートする情報と助言をお伝えします。
どんな問題が出題されるか
G検定で比較的多く出題されるのは以下のような問題です。
- 専門用語の定義、具体的な技術や分析手法の名称と内容
- 技術・手法の仕組みや特徴に関する理解
- ディープラーニングを応用した最新技術の用語
- AI を活用するための知見(社会・産業への影響、法的規制、倫理、現行の議論)
出題内容は以下のようにまとめることができます。
出典:最強のテキスト(G検定の緑本)
近年の出題傾向を見ると、「ハードな暗記問題」、「奇抜な用語を問う超難問」や「アルゴリズムの理論を理解しないと答えられない問題」が減っており、どちらかというと、「実際に技術を業務に応用できる人材が知るべき」実践的な内容にシフトしているように感じます。つまり、本当にジェネラリストとして知るべき本質的な問題が増えてきました。
G検定の学習アドバイス
G検定では人工知能(AI)、機械学習、ディープラーニングの知識を広範囲で満遍なく出題されます。出題範囲を把握し、偏りなく知識を吸収することが重要です。また、常に進化する技術分野が対象の試験なので、出題内容も変動する可能性が高いです。
多くの受験者が難しく感じるのは、AI 関連の法律・倫理に関する問題のようです。AIを社会・産業に応用するために必要な法律・倫理の体制が問われています。この分野の重要性が注目されようになり、試験における出題頻度と難易度が上昇しています。また、計算技術の基礎となる数学(微積分、統計学)についても出題されます。
お役立ち情報
G検定の概要と学習法の解説動画です。
過去の傾向分析のブログです。
■2021#3・G検定 得点分布から見える難易度
https://agaroot.jp/datascience/column/yan_blog/20213g1/
■ 2021#3のG検定試験、以前とどう変わった?
https://agaroot.jp/datascience/column/yan_blog/20213g/
■【G検定・振り返り】2021#2試験の詳細分析(その3)
https://gri.jp/media/entry/2213
■【直前対策】G検定講座のQ&Aを共有
https://gri.jp/media/entry/2481
■その他、CO-WRITE よりG検定関連トピックス
https://gri.jp/media/?s=G%E6%A4%9C%E5%AE%9A
GRIによる合格に導くG検定対策講座・書籍など
G検定対策講座
執筆者はアガルートアカデミーにて、G検定試験対策講座を提供しています。講座では、はじめてディープラーニングを学ぶ方でも安心・充実できるように、初歩から丁寧に知識を伝えています。講師との質疑応答が可能な「コーチング制度」も用意しています。
G検定書籍
2021年10月に『ディープラーニングG検定(ジェネラリスト)最強の合格テキスト[明瞭解説+良質問題]』を出版しました。
G検定模擬試験
3月5日に開催される2022年第1回 G検定に向けて、オンラインで模擬試験を開催しています。
模擬試験の問題は、本番試験に極めて近い、最新の出題傾向をバッチリ反映している良問で構成されています。本模擬試験で適度な緊張感のある「リハーサル」を行うことで、本番試験でのパフォーマンスの向上につながります。
G検定模擬試験(無料)はこちら
※2022年3月4日まで
オンライン勉強会
G検定のみならず、データサイエンス全般の学習に有益な無料コンテンツを提供しています。
2022年2月24日のもくもく会は、特別版「G検定特訓会」として、各分野の抑えるべきポイントを総整理し、最頻出の問題をライブで、時間を計りながら皆さんに解いていただき、その場で解説します。
G検定受験後について
試験問題の多くは、基礎知識です。しかし、最新の技術動向を完全にフォローすることは容易ではありません。最新の技術の中には、まだ十分に世の中に認識されていないものもあり、受験の際に知識を持っていることが必ずしも期待されているわけではありません。どちらかというと、「受験を機に、解けなかった問題については自発的に調べて知識を広げてください」というメッセージとして受け止めてよいと思います。
ディープラーニングは日々技術が進化し、社会への実装がリアルタイムで試みられている領域です。それに伴い、学ぶべき内容が変わっていきます。G検定に一度合格しても、継続的に学習を続けなければ、最先端の知識をもっていると言えないわけです。
合格はゴールではなく、ジェネラリストとしてのスタートです!
継続的に勉強を続ける姿勢、それこそがジェネラリストに求められることだと思います。