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見える化-3 あわてない、迷わないための 女性ホルモンの基礎知識

こんにちは、プランナーのSALTYです。サプリメントアドバイザー、シニアメノポーズカウンセラーの資格(NPO法人更年期と加齢のヘルスケア学会所属)を有していますので、健康をテーマに情報をご提供します。

健康シリーズ3回目は、「女性ホルモンの基礎知識」です。前回までは、生活習慣病の中でも糖尿病について書いてきましたが、「更年期」も生活習慣病の一つとされています。繰り返しになりますが、生活の質の維持・向上には「医療機関」にかかるべきことと、「予防」に努めることの区別をし、自ら健康に関する正しい情報と知識を得ることが大切です。

更年期は男性にもありますが、今回は女性の更年期についてまとめます。女性は、女性特有の身体の機能により、また社会的地位、家庭内の役割、気質的なものからの影響を多く受けて年齢に伴って大きく健康に影響する傾向があります。たとえば、社会的地位、家庭内の役割に着目してみると、女性の30代後半~40代にかけては、自身や夫の昇格、子どもがいればちょうど受験と重なる時期です。家事や子育てと仕事の両立のレベルが最高値になる時期です。この大きな山を乗り越えたころに次は親の介護の予兆が現れます。こうした環境要因のほか、身体的にも平均45歳くらいから更年期に突入し、10年間はホルモンバランスが不安定となり、さまざまな不定愁訴が現れることも。 また気質的なものも体調を崩す要因となります。真面目な人ほど更年期の症状が現れやすくなるという傾向がある*ことが知られています。

*厚生労働省:更年期症状・障害に関する意識調査(結果概要)
実施時期:2022年3月 25 日(金)~2022年3月 28 日(月)https://www.mhlw.go.jp/content/000969136.pdf

女性の更年期障害――メカニズム

更年期とは、閉経(月経が永久に停止した状態を閉経といいます)を挟んだ前後約10年間をいいます。日常生活に支障が出るほどの不定愁訴が現れると、「更年期障害」と診断されます。更年期障害は、閉経の数年前から月経不順が起こることで、卵巣機能の低下・停止により女性ホルモンが低下して起こります。また、人間関係、生活習慣など「環境要因」、性格・体質といった「気質要因」も発症の起因になります。厚生労働省の更年期症状・障害に関する意識調査の結果*でも、症状の自覚が出始めるのが40代~50代とされ、その症状も多様です。

*【厚生労働省の更年期症状・障害に関する意識調査の結果】「医療機関への受診により、更年期障害と診断されたことがある/診断されている」女性の割合は40~49歳で3.6%、50~59歳で9.1%。また、「診断は受けていないが、更年期障害の可能性がある/あった」は、40~49歳で28.3%、50~59歳では38.3%

更年期障害の症状

具体的な症状は、動悸、息切れ、のぼせ、ほてり、着替えが必要になるほどの発汗、激しい頭痛、腰痛、肩こり、手足のしびれ、イライラ、めまい、耳鳴り、不安感、不眠、食欲不振、ドライアイ、肩こりなどがあります。家族や自身のライフイベントと重なった時期にやってくるやっかいな症状です。

検査結果は「異常なし」「原因不明」

人生には、必ず「更年期」という時期があるのですが、この事実を知らない人が多く、また、医療機関側も科が分かれているため、受診した科で現在の症状に応じた対症療法が行われることが多くあります。けれども、更年期障害が要因でおこっている不定愁訴の場合は、異なる科の処方では治ることはありません。更年期障害であれば、ホルモンバランスが乱高下するので自律神経のバランスが崩れます。不安になったり、不眠になったり、極端に集中力がなくなり、働けなくなる人もいます。また、頭が割れるような痛みに見舞われたり、肩こりがひどくなったり、関節が痛むなど、さまざまです。その都度該当しそうな科を訪れていると、精神科、内科、眼科、頭痛外来、形成外科へ行き検査をしますが健康的には「異常なし」となり、確かに具合が悪いのに原因がわからないためドクターショッピングをしてしまうことになります。

このようなことにならないよう、40代後半になったら、婦人科や更年期外来での定期検査をスタートされることをおすすめします。

検査と治療方法について

更年期障害の診断は、婦人科や更年期外来で問診と血液検査で行います。ホルモン濃度のチェックや、子宮や卵巣の状態によって医師によって診断されます。

更年期障害の主な治療は、ホルモン補充療法(HRT)と呼ばれる、エストロゲンの補充がメインとなります。HRTは、乳がんや子宮がんのリスクが高い人の場合、そのリスクを上昇させる可能性もあるため、開始するには事前の検査が欠かせません。結果的に、この検査により、子宮がんが早期に発見されることも多く、更年期の検査ががん予防につながっています。がんサバイバーやがんのリスクが高い人は、HRTを利用できないため、漢方薬やイソフラボンなどのサプリメントなどが用いられます。針灸なども効果があります。こうした更年期医療を受けることと併走して、精神面に現れている場合は、専門のカウンセラーや医師からのカウンセリングで改善していきます。

健康とは?

あらためて、健康の定義についておさらいします。WHOでも「健康とは、肉体的、精神的、社会的に果然に良好な動的な状態であり、単に病気や虚弱がないことを意味するものではありません。【WHO検証における「健康」の定義より】とされています。単に肉体的な面だけを病院で診てもらっても、「異常なし」となる場合でも、精神的なことと、社会的なことのバランスが崩れているために更年期障害となって現れることがあります。生活習慣を改善し、精神的にも、社会的にもバランスが保たれるよう、家事や業務も見直せる点のチェックが必要です。

健康を維持するには、適切なタイミングできちんと検査をすること。正しい情報と知識を得ること。これに尽きます。シリーズの1からお伝えしていることですが、是非ともご自身の健康を大切にし、ご家族やご自身の健康管理に、この記事を役立てていただけたらと思います。