3年目分析官の岡部です。弊社GRIは新人のうちからガンガン仕事を任せてもらえるので、人によっては尋常ではないスピードで成長していきます。例えば入社1ヶ月もしないうちから自社サービス開発にジョインしたり、入社半年くらいでプロジェクトをマネジメントし出したり、なんなら入社前のアルバイトから自社プロダクトの開発を任されたりと、そんな感じです。
そんな環境の中で周囲の人たちを観察していると(仕事しろ)、伸びる新人にはある一つの行動習慣が根付いていることが判明してきました。
結論から言うとそれは「自分から上司に不明点を質問できる」ことです。
え?それだけ?と思うかもしれませんが、それだけです。
ただ、友人・知人にこの仮説をぶつけてみたところ、高い割合で「あーわかるー」となったので、この時点で賛同してくれる人も多いかもしれません。
もう少し具体的にみていきましょう
「そもそも『伸びる』『伸びない』って何?曖昧すぎて分からん」という方、もっともだと思いますが、あえてここでは厳密に定義しません。皆さんの頭の中にある以上両者は存在していて、それを「行動を変えることで乗り切れんだろうか?」とアクションに仕方がないと判断しました。
「自分から上司に不明点を質問できる」ことの具体例(アンチパターンとの対比)
ケーススタディでいきましょう。
例えば、上司から
みたいな依頼をされたとします(この日は火曜日とします)。
普通の新人のケース
まずは普通の新人のケースを見てみましょう。
〜翌月曜〜
とまあ、こんな感じで段々と仕事を覚えていくのが普通の新人ではないでしょうか。
「伸びる新人」のケース
それでは伸びる新人の人たちはどうしてるのでしょうか?
すぐに思いつくソース元は特にないから、適当にググってそっからできるだけ信頼性の高い一時情報をまとめてください
〜翌日〜
〜金曜〜
〜翌月曜〜
とまあ、こんな感じで明らかに進みがいいですし上司の負担も少ないことがわかりますね。
先制攻撃でどんどん上司に確認しにいくこと
なんとなく伝わったでしょうか?
要は以下のような特徴が仕事の進め方に関して両者を分けているのです。
・依頼背景を確認せず、自分で勝手に思い込んだ目的で走ってしまう
・上司からステータスを聞かれるまで自分から確認に行かない
・自分で判断がつかないことを悩み続ける or 勝手に結論を下す
・依頼された背景・目的をあらかじめ確認する
・不明点が出たら自分から上司に確認しにいく
・自分で判断がつかないことは自分なりの仮説を持ってそれを上司にぶつける
なぜ「自分から上司に不明点を質問できる」新人が伸びるのか?根底にある3つの資質
実は「自分から上司に不明点を質問できる」というのは単なる行動特性として表面化しているだけであって、これができる人というのは以下のような、根本的に重要な3つの資質を備えているケースが多いです。
以下で詳しく説明していきます。
1. 責任感がある
一番重要ではないかと思ってます。最近は「自分ごと」なんて言葉をよく聞きますが、所与の仕事が自分の仕事であると捉え結果に対して責任を持とうとする姿勢のことです。
なぜこれが重要かを理解するには、逆のパターン、つまり責任感が欠けている場合を考えると分かりやすいでしょう。この場合、仕事は”与えられたもの”になり本気で取り組もうとしなくなります。
結果、「上司オコだけど俺悪いか?あんな言い方じゃ分からないって……」とか「必死でやってるのに、なんでいつも注意されるんだろう……あんな指摘ばかりされたらモチベーションも上がらないよ、まったく」などと思うようになります。他人の責任にしてばかりの他責思考です。
ちなみに、「責任感を持ってるからこそ、忙しい上司にいちいち意見を聞かずに自分でやってるんじゃないか!」という考えの方もいると思います。とても気持ちは分かるのですが、これは無責任な考えです。
なぜならここで言ってる責任は「結果に対しての責任」であって、それは必ずしも「与えられた作業を自分一人で最後までやり抜くこと」とは一致しないからです。
学生時代であれば後者でも「〇〇さんは責任感があってえらいね」と褒められるのかもしれませんが、仕事の場合は違います。
期限があるからです。
いつまでも抱えるより、「作業が終わることに責任を持つこと」が責任感と言えるでしょう。
もっと言えば「目的と合致するか?」「結果を生み出すか?」を自ら問い続け「今の作業やめてこっちやった方が良くないですか?」と上司に提案し返せる態度こそが真の責任感と言えるんじゃないでしょうか。
2. 主体性がある
「自分で」の部分ですね。自分から不明点を聞きにいくという姿勢そのものが該当します。
上司から声がかかるまで報告しない受け身の姿勢は不幸を生みます。一般に上の立場にいくほど抱えている仕事がたくさんあるので、新人が抱えている仕事のことは容易に忘れます。思い出させてあげるのは親切な行為と言えるでしょう。
また、主体性があると目的に沿っていると判断すれば、与えられた作業以上のことをやったりします。「SaaS市場調査の結果の表はできたけど、これ絶対チャートにした方がわかりやすいやんけ、作ったろ」みたいな感じです。
このような動きは、上司的からすると期待値を超える行為になるので信頼感が生まれ、より面白い仕事を回してもらえるようになります。
3. 不明点を明確にできる
質問できない人はそもそも「何が分からないか分かっていない」「自分が分かってないことすら分かってない」ということが多いです。
「自分から上司に不明点を質問できる」ようになるためには、検索でわかる範囲のことを調べ、問題を構造化して整理した上で、理解できている点と曖昧な点を切り分けることが必要です。
これはかなり高度なスキルなので、このような思考の整理ができる人が伸びるのは当然な気もします。
じゃあ「普通の新人」はどうすればいいのか?
「なーんだ結局それって、伸びるやつは元々素質があるから『自分から上司に不明点を質問できる』ってことね。元も子もないじゃん。じゃあ『普通の新人』は伸び悩むじゃん。」という声が聞こえてきそうです。
説得力のある意見なんですが僕は違うと思ってます。同じ人間ですし素質なんて似たり寄ったり。現に最初は伸び悩んでいたけど、ふとした拍子の気づきをきっかけとしてぐんぐん伸び始めた人を何人も知ってます。
そのような人たちは、苦しみもがく日々の中で、自分の頭で考え実践している人たちだったんですが、この姿勢を人為的に再現できるんじゃないかと最近ぼんやり思い始めてます。
どうするかというと「自分から上司に質問すること」を強制するのが一つの対策なんじゃないかと思ってます。
確かに因果しては「伸びる素質を持っているから質問する」の要素が強いと思うんですが、逆向きの「質問するから伸びる」に転換するわけです。
自分が「伸び悩んでるな〜」と自覚のある新人の方であれば、あらかじめ上司との内部ミーティングの時間を設定してしまって、そこから逆算して調査なり作業なりをする。その上で、ミーティングの時には分かってないことを必ず質問する。
そのような訓練を積むことで、次第に分からないことを明確にする感覚が掴めてくるんじゃないかと思います。
実際、僕も「マジで何も分からんかった頃」と「ちょっと仕事がわかるようになった今」を比較すると、たたき台を作って確認する所作が一番変わったところだなと実感してます。そしてこの所作は新人時代に行っていた上司との密な千本ノック対話のキャッチボールによって醸成された気がします。(粘り強く自分で考えさせてくれたり、いろいろ手助けしていただきました。)
さいごに
最後のはまだ仮説段階なので、実践していく中でその確度を検証したり、もっといいアイデアがでないか考えてみたいと思います。
正直なところ、自分でもそれほど良い対策だとは思っていないので、日々の検証サイクルを回すことでどんどんアップデートしていきたい……。