キーワード解説

AIの倫理的使用問題:OpenAIがChatGPTのウェブ閲覧機能を一時停止

AIの倫理的使用問題:OpenAIがChatGPTのウェブ閲覧機能を一時停止

OpenAIはChatGPTのWebブラウジング機能において、ユーザーが特定のURLから全文を取得できるという問題が発生した、とアナウンスしその対応のためWebブラウジング機能を一時停止しました。この問題には有料コンテンツも含まれる可能性があります。OpenAIにおけるこの決定は、高度なAIシステムの責任ある使用を保証する上での倫理的な課題を提示しています。

ChatGPT

OpenAIは昨日7月4日、ChatGPTのWebブラウジング機能を一時的に無効化するという決定をおこないました。ユーザーが特定のURLから全文を取得できる問題が発生していることをOpenAIは認めています。これには有料コンテンツも含まれる可能性があります。この機能が悪用されたり、著作権問題が生じる可能性があるという懸念があり、OpenAIは一時停止を決定しました。

「BingでWebブラウジング」の機能は、ウェブからリアルタイムの情報を取り込むことで、ユーザー体験を向上させ、AIの回答の関連性と正確性を高めるように設計されていました。しかし、ユーザーがURLの全文を要求した場合、この機能はその要求を満たす可能性があり、このことでコンテンツ所有者の権利が侵害される可能性がある、ということが判明しました。特に、要求されたコンテンツが有料コンテンツの場合、この問題は深刻なものです。

OpenAIのこの決定は、高度なAIシステムの責任ある倫理的な使用を保証する上での課題を浮き彫りにしています。OpenAIは、この機能のテスト段階で生じた潜在的な著作権問題に取り組む姿勢を示しています。これは、知的財産権の尊重が技術の革新と同様に重要であるというメッセージを強く伝えています。

「BingでWebブラウジング」の機能は現在一時的にオフラインになっていますが、これは完全な停止ではなく、改善のための一時停止とされています。OpenAIは、コンテンツの所有権を尊重するため、機能の強化に注力しているものと考えられます。

なお、ChatGPT標準の機能としてのWebブラウジング機能は停止されていますが、ChatGPTプラグインを通じたWebブラウジングは引き続きできるようになっているようです。

【生成AIに関する他の記事を読みたい方はこちらから『ChatGPTビジネスレポート』に無料登録してください】

(OpenAIによる本件アナウンスのスクリーンショット)
https://help.openai.com/en/articles/8077698-how-do-i-use-chatgpt-browse-with-bing-to-search-the-web

 

(DeepLによる上記内容の翻訳)

ChatGPT Browse with Bingは、ChatGPTがインターネットを検索し、最近の情報が役立つ質問に答えるのを助けるベータ機能(ChatGPT Plus加入者が利用可能)です。我々は、ChatGPTブラウズベータが時折我々が望まない方法でコンテンツを表示することができることを学びました。例えば、ユーザーがURLの全文を特に要求した場合、それは不注意にこの要求を満たすかもしれません。

2023年7月3日現在、私たちはコンテンツ所有者に正しく対応するため、この問題を修正する間、慎重を期してBing Browseベータ機能を無効にしています。できるだけ早くベータ版を復活させるよう努力しておりますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします!

(了)

 

(執筆:ピクアカ)