雑談

この空物件なら何を売る? – アイデアとノウハウの詰まった出店対談

最近、毎週日曜日は、妻と東京のどこかを10キロ歩くことにしています。

例えば先日は、渋谷から外苑前を通って、九段下、神楽坂、後楽園、で最後に谷中にたどり着いたって感じです。
そういう風に東京を10キロ歩いていると、職業柄かどうしても「空き物件」が気になるんです。

例えば外苑前のちょっと入ったところの1階に10坪で家賃20万円っていうのを見かけました。このくらいの金額で外苑前の1階10坪ってちょっと安いんです。そうなると、妻と二人でその物件を見ながら「ここだったら何のお店やったら儲かるかなあ」って色々とアイディアを出し合ったりして楽しんでしまうんです。

「この辺は働いている人いっぱいいるけど、いわゆる普通の食堂みたいなのがないから、焼魚定食を1200円くらいで出すお店どうかなあ。この辺の人なら美味しくて良い食材を使ってたら昼でも1500円まで出すと思うよ。あとメディアで働いているフリーの人がかなり多いと思うから、ランチは12時から1時だけじゃなくて4時までやってもずっと来るんじゃないかなあ」とか

「この辺はパン屋でちょっとお総菜も売ってるお店が良いと思うよ。ワインも1000円から2000円のビオを中心に揃えて。店内で軽く飲めるのもいいかもね。この辺の事務所兼自宅みたいな人って多そうじゃない。そういう人がちょっとしたホームパーティとかするときにワインと食材をあわせて5人分で2万円とかでも十分使ってくれる人いるんじゃないかなあ。ありがちなビストロやカフェよりもそっちが儲かるような気がするよ」とかって話しながら歩くんです。
で、思ったのですが、こういう企画どうでしょうか?

毎回ゲストが一人います。ゲストと僕とで二人で谷中に行って、不動産屋さんに入って、何かオススメの物件を紹介してもらうわけです。

そして、二人で谷中をうろうろ歩いて、「やっぱり谷中って意外と観光客が多いですね」とか「ワイン・バルがないですね」とか話し合って、そして古くからやってそうな喫茶店に入って、そこのマスターに「お客さまはどんな人が多いですか?」とか「学生さんは夏休みはいなくなってしまいますか?」とか質問して、その街の特徴をリサーチするわけです。

そして二人でその物件の情報を自宅に持ち帰って、例えば「日本酒とお総菜のバル」を考えて、内装はこんな感じで、このくらいお金がかかって、メニューはこんな感じで、お客さまの回転率や予想単価はこのくらいで、スタッフはこういう人を雇って、人件費がこのくらいで、売り上げがこのくらいで、儲けがこのくらいっていうのを企画書にして書いてもらいます。

同じように僕は「古本とレコードも売っているカレーとビールのお店」というのを提案します。同じように、内装や人件費、古本とレコードの仕入先や原価率、どういうお客さまが来店するだろうかというコンセプトや売り上げなんかを計算して、儲けを予測します。そしてそれを企画書にまとめます。

そして二人でお互いのお店計画の企画書を見て、「これ良いですね。あたりそうですね」とか「これレコードを仕入れるのはまた別のスタッフが必要になるから、HMVと組んで、店内に小さいHMVを設置するってどうですかねえ」とかなんとか話すという企画です。

それは飲食店だけに限らず、「イベント目的のスペース」になるかもしれないし、「劇場」や「ライブハウス」や「学校」や「お花屋兼映画館」なんかにもなるわけです。

で、連載がまとまったら本にするというのはどうでしょうか?

「いつかお店をやってみたい」っていう人がもちろん一番読むと思うのですが、「なるほど。そうやってお店って作るんだ。意外と簡単でそんなにお金もかかんないんだな。じゃあいつか自分もやってみたいな」なんて考える若者にも受けそうな気がします。

あと、ちょっと大人っぽい発想ですが、「不動産屋さんから広告料が貰える」とか「サントリーさんから広告料が貰える」とか色々な展開もありそうです。はい。ここが一番おいしいポイントかもしれません。大きいスポンサー必要ですよね。

媒体がどういうのが良いのか、そういうのが僕はどうもわからないのですが、「うちでやりたい!」、あるいは「私が企画持ち込む」という方がいらっしゃいましたら、是非!