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他社のwebメディア事業を調査してみた

webのメディア事業に携わらせていただいている中で、成功している他社のメディアビジネスについて情報収集をしてみました。

今回は、「カカクコム」のメディア事業について調べてみました。ネット事業の中でダントツに高い営業利益率を叩き出していることが理由になります。

以下は2019年7月時点での、ネットサービスを主体とする企業の時価総額ランキングです。カカクコムは8位にランクインしています。特筆すべきは右端の営業利益率の列で、45,7%と他社と比較して突出した数字を出していることがわかます。

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株式会社カカクコムは複数のメディア事業を展開しています。

その中でさまざまな商品の価格や口コミなどを比較し、消費者の購買を支援するサイト「価格.com」と、全国の飲食店の検索・予約サイト「食べログ」が、おおよそ8割の売上を占めているメイン事業となっています。

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つまり「価格.com」と、「食べログ」が営業利益率の高い事業であることがわかります。
ではなぜ、営業利益率が高いのでしょうか。

それは、メディア事業の価値となるコンテンツ(情報)を、自社で制作しなくて良い仕組みを作っているからです。収益力を上げるためには、売上に対して発生する費用を下げることが必要になってきますが、カカクコムは、コンテンツを制作し続けるために必要な人件費を抑えることをしています。

「価格.com」の運営はもともと、自社で販売事業者に価格調査を行い、情報を集めてサイトのデータを更新していました。しかし顧客からのアクセス数が増え、販売事業者の販売に対する影響力が増したため、販売事業者が主体的に更新して、最新の情報をユーザーに伝えるようになりました。

「食べログ」はもともと、飲食店が載せる店舗の情報と、ユーザーからの評価を数値化した口コミによるお店の紹介サイトです。情報の正誤の管理は行うものの、サイトに載っている基本的な情報は、店舗とユーザーが作っています。

つまり2つのメディア事業にも共通している、価値あるコンテンツ(情報)を自社では生み出さず、他社や消費者に生み出し続けてもらう仕組みが突出した収益力につながっているのでしょう。

参照:2020年3⽉期 決算説明資料

上野