1935年(昭和10年)の絵葉書のインフォグラフィックスについてSNSで知り、とても衝撃を受けたのでご紹介します。こんな昔から、グラフでのメッセージの伝え方を工夫をしている人が存在したのだとは、想像もしていませんでした。

- 満州国における貿易統計です。
- 全体の中心に大胆に貿易の輸出と輸入を円グラフで表現しており、その中に細分化をしています。
- 特に目を惹くのが、円グラフの上に沿って、貿易額の経年比較(累年比較)を船で表現している点です。グラフの観点から見れば、これは数値間の比較を困難にするのでNGですが、人目を惹くという観点ですと、インパクトがあり記憶に残る表現です。
- 下には棒グラフで国別の輸出入額が配置され、その他の国を含めるとUの字になるため、中心の円グラフをのバランスがとても優れています。
- ただ、非常にミスリーディングなのは、縦軸の1億円以下の金額だけ対数的に表示されており、日本以外の国とも多くの金額が貿易されているような錯覚を受けます。この点を含めて興味深いチャートです。
その他のチャートも以下に転載します。
チャートの中が分かりやすい色使いでありながら、レトロな配色で興味深いです。
古幡征史
資料
函館市中央図書館より