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データ整理における共通マスタ作成のポイントと整理手順

データ整理における共通マスタは、異なるシステムやデータベース間でデータを連携する際に重要な役割を果たします。
データ整理において共通マスタを適切に作成・運用することで、データの整合性・正確性を保ち分析や業務効率の向上に繋げることができます。
この工程をおろそかにしたり「まあいいか」でやらない場合、あとで色々詰まることやめんどくさくなることが多いのでこれを機にポイントまとめておきます。

データ整理におけるポイント

まずはデータ整理におけるポイントです。
最初に、例えデータ定義書があっても、基本的に「生データを見る」というのが大切です。なぜならばデータは色々変化しているもの、過去の情報をうのみにすると時として勘違いや痛い目に合う場合があるので、まずは見ようを忘れずに。

・定義の統一

各カラムの定義・属性・データ型などを明確化/整理し、利用者の中で認識を統一します。
ここがあいまいな場合、ダミーデータの作り方などでも認識違いが生まれたりするので整理しておきましょう。
データ定義書は参考にしつつ「増えているカラムはないか?(データ定義書が更新されてない!、運用で追加している等)」「おかしなデータが入っていないか(エクスポートやインポート時のカラムずれの可能性などふくみ)」もざざっと見ておきましょう。

・重複排除と粒度の調整

同じ意味を持つカラムが複数存在する場合、どのカラムをメインで使うかは整理しておきましょう。もし微妙に内容が違う場合は、2つのカラム内容を伴った新しいカラムを思い切って作ることも必要です(以下、これを共通マスタと呼んでます)。データの粒度(詳細度)を揃えることで、異なるデータソース間での比較や分析を容易にするためです。

・メンテナンス性:

データの更新や追加が容易に行えるよう、マスタデータの管理体制を検討します。多段で組まれているものは特に階層/フォルダ管理と合わせて対応するのがよいでしょう。

データ整理手順

次にデータ整理手順の大まかなポイント例です。

1. 現状分析と定義設計:

・現状調査: 対象となるデータソースを洗い出し、各データの定義・属性・データ型を調査します。
・項目定義の統一: 異なる名称で呼ばれているが同じ意味を持つ項目を洗い出し、共通の項目名と定義を決定します。
・コード体系の標準化: コード値を統一し、コードと意味を対応付けたマスタデータを作成します。

2. マスタデータの作成:

・重複データの統合: 重複するデータを洗い出し、一意な識別子を付与して統合します。
・データクレンジング: 不整合なデータや欠損値を修正・補完します。
・粒度の調整: 必要に応じて、データの集約や分割を行い、粒度を揃えます。

3. 運用と維持管理:

・マスタデータ管理体制の構築: マスタデータの更新・変更履歴を管理する体制を整備します。部署統合などカラム内容やマスタが変更になった場合は、名寄せ/マスタ差し替え、およびデータのバージョン管理などを行うことで過去データとの整合性も保つこともできるので体制を含め検討が必要です。
・データ品質のモニタリング: 定期的にデータ品質をチェックし、新たなカラムやコードが生まれていないか、問題があれば速やかに対応する運用方法を決定します。
・継続的な改善: 運用状況に応じて、マスタデータの定義や管理方法を改善していきます。

これらの手順を行うことでデータを理解/把握するとともに、高品質な共通マスタを構築・運用しデータ分析の精度向上や業務効率化を実現しましょう。

hiroyoshi usui
ディレクター、Keep it simple, stupid.