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シリーズ②_デザインの裏側 「パースペクティブ」の効果!?

こんにちは、プランナーのSALTYです。わたしの専門は企業の新規事業の立ち上げやブランディング、ウェブ等のコンテンツ企画です。このシリーズでは、「データ」を元に「色調」や「レイアウト」を確定しているデザインの裏側について、ご紹介していきます。

「パースペクティブ」の効果!?

建築業界では「パース」と呼ばれているもので、遠近感を出して表現する透視図のこと。物件の完成図として外観や庭、室内などが描かれた立体模型図です。日常でもみなさんも目にしていることと思います。グラフィックデザインや絵画の世界

では「遠近法」と呼ばれている技法の一つで平面上に放射線を使って物の遠近を感じさせる表現のことですこれが大変に便利なもので、水平線(または垂直線)と放射線の組み合わせだけでいろいろなシーンを描くことができてしまいます。

▼事例

←「塀と道」あるいは「壁と廊下」に見えませんかこの基本の図に、どんどん線を加えていくどうでしょう?↓お部屋にみえませんでしょうか?

 

 

 

 

 

 

↓では、こうするといかがですか?急に高いところからの眺めに変わりませんか?

車を小さくして2台にすると、道路にみえませんか?

 

では、追加のモチーフを子どもに変えてみます。台所で抱っこをねだるシーンのようです。

もっと縮小してお友達と手をつないでいるものにすると、いかがでしょうか?中庭で遊んでいるように感じられないでしょうか?

次は、二面だけ、色をぬってみるとどうでしょう?もっと天地や奥行きがハッキリと感じられてきませんでしょうか?

スピードを演出したり、時間や目線などを与えることもカンタンにできます。無彩色であってもかなりのことが自由に実現できてしまいます。コンピュータも要りません。しかし、重いとどのようにたわむのか、光がどのような角度であたると、どのような濃さと角度で影ができるのか、という物理的なデータが必要となります。絵は勘で描けるものではないのです。

3Dプリンターの家

米国でスタートアップが3Dプリンターを開発しているなど、昨年から話題になっていますが、計算通りの構造物を線だけで構成することは、不可能ではありません。すべてを3Dで作成するのは時間的にも耐久性的にも実現性はないかもしれませんが、既存している強度のある建物や山などの斜面を利用し、増設するような建物であればあるいは?と個人的には思っています。そして、その材料がコンクリートではなく、竹やトウモロコシなど有機物にすることできれば、そのまま自然と同化する家になるのではないか。これからの未来にとってよいものになるのではと想像しています。

創造は、思考によって生まれる

以上のとおり、遠近法は日常でも便利に応用利用できるものですので、ぜひ、覚えておいていただけたらと思います。デザインの裏側には、このような技法や自然界の物理的な数値データが利用されています。一枚の紙の上に線を重ねていくだけで、あらゆる思考を再現し、未来をデザインすることができるのです。