データサイエンス

「ライゾマティクス」とデータ可視化

先日、東京都現代美術館で実施している「ライゾマティクス_マルティプレックス」展を見に行ってきました。
現在多くの美術館は完全予約制となっており、会話もなく比較的安全な娯楽かと考えておりますが、同展は若者を中心に思ったより人出があった印象です。

「ライゾマティクス」というのは「芸術と技術の両方を使用して大規模な商業および芸術プロジェクトを作成することに専念している日本の会社(Wikipediaより引用)」となります。
昨今テクノロジーの発展とともに電子デバイスを利用したデジタルインスタレーションが多くなってきましたが、ライゾマティクスはリオ・オリンピックの閉会式やPerfumeのステージ演出を行ったことで有名で、最新のテクノロジーを使い表現する技術力とアイデアにおいて、チームラボと同様に日本でトップクラスの会社だと思います。

さて、ライゾマティクスの真鍋大度氏らが技術支援で参画し、データ可視化の力が最もわかりやすい作品は、個人的には以下のものかと思います。

Sound of Honda / Ayrton Senna 1989

鈴鹿サーキットで亡きアイルトン・セナが叩き出した最速RAPの走行データをつかい、実際の鈴鹿サーキットに光と音を出すデバイスを設置して再現した作品です。
数値データからそこにあたかも走っているかの感覚を引き起こすこの作品は、世界から絶賛され多くの賞を獲得しました。

ここで興味深いポイントはその見せ方で、例えば提供データから「CGを使った映像を作ろう」といった感じでデータの可視化をすると、おそらくどんなに精巧なCGでもここまでの感動を得ることは出来なかったのではないでしょうか。
ときには大胆に情報を削ぎ落とし、重要な点だけで構成することでよりわかりやすく「可視化」ができるというケースではないかと考えます。

また同展には様さまざまな問題で不透明な部分が多いCryptoArt(暗号資産化されたデジタルアート)の売買状況をリアルタイムで可視化することで市場を目に見えるようにした「NFTs and CryptoArt-Experiment」などの作品がありましたが、いちばん目を引いたものは作品の中でも最も大きなもので、暗闇の中で物理的な構造物にころがりながら発光するボールの軌跡をみせる作品「particles」でした。
なかなか説明が難しいので、以下の動画や資料を見ていただければと思います。

particles at YCAM

particlesの技術資料
http://daito.ws/dl/particles_0406.pdf

particlesの制作話

アート作品なのである意味「だからなに」となってしまいがちですが、この作品も素材やデータをどう切り取り、どう組み合わせるかによって、「人がより見ていたいという欲求を引き出せる」というものに仕上がっていると感じました。

このようにライゾマティクスは最新のテクノロジーを駆使して、行動履歴やデバイスから得られたデータなどから「見えないものを可視化」することにより見えてくるものを追求している会社で、生み出す作品や可能性は目を見張るものがあります。
弊社もサービスの一角として「データをどう見せるか」のお仕事を多くいただいておりますが、「見せたいものの本質は何か」を踏まえ魅力あるご提案をできればと考えております。

hiroyoshi usui
ディレクター、Keep it simple, stupid.