有名な詩から引用したいけど今手元にその本がない時、あの小説の結末ってどんなだっけと見返したい時、そんな時に便利なのが青空文庫。
青空文庫には、作者の死後50年(現70年)経ち著作権の消えた作品、または、著作権は消えていないものの許可の下りた作品が収録されており、自由に読む、引用する、リンクを貼ることができます。目当ての作品があるかどうかについては「(作品名) 青空文庫」「(作者) 青空文庫」などで検索エンジンを使うと手っ取り早く見つけることが可能です。特にあてもなくという場合は、青空文庫のトップページから、気ままに作者や作品名、ジャンルなどをクリックして渡り歩くのもよいでしょう。
私の過去記事でもこちらから引用している作品があります。よかったら読んでみてくださいね。
さて、そんな、今ぱっと調べたい、知りたい、なんてときに非常に便利な青空文庫ですが、こちらは自動で追加されているわけではありません。全てボランティアの手動で成り立っています。具体的には、以下の役割の人たちの活躍で成り立っています。
・耕作員/工作員
入力・校正などを行う青空文庫のボランティア。
・呼びかけ人
耕作員/工作員ののサポート役。必要なときには全体に関わる判断や承認をする。
・点検グループ
ボランティア内での受付窓口の役割を果たす。入力・校正希望に対する受付と、作品の受領、また公開ファイルの作成を行う。様々なご質問への対応もする。
・広報
外部での受付窓口、広報を担当。取材や相談を対応が主。
・会計
青空文庫の運営資金を管理する役。サーバー管理費など運営に必要な金銭をやり取りしている。青空文庫はネットを通じて人の集まっているボランティア団体でありながらも、見なし法人として法人税等も納付している。
・Web管理
青空文庫上のデーターベース管理役。
・外部協力者のみなさま
入力・校正以外にも、分野別リストやアプリ開発、技術提供など様々な協力者もいる。
以上の内容は、以下リンクの抜粋、要約です。具体的な文章はこちらから↓
青空文庫を手伝いたい!という人の多くは、一番上の耕作員/工作員、つまり入力・校正担当になる人が多いかと思われます。
この入力と校正についてザックリいうと、作品入力する人と、間違いがないか確認して校正する人の二手に分かれて行います。この一連の作業を完遂するうえでの準備として、同じ底本(同じ出版社から出た同じ版の同じ作品)を持っている人が二人揃うことが必要とされています。厳密には、版が違っても構わないのですが、極力は揃えるまたはそれ以降の版の底本を所持して行うことが推奨されています。理由は、版が違うと中身が修正されているなんてことも少なくないためです。特に昔の作品は、検閲で何行か一気に削除せざるを得ないこともありますからね。(削除前の本はレアもの扱いでプレミアがついていたりします。)
作業の流れは大まかに、入力→確認(点検グループ)→校正→確認(点検グループ)→公開とすすみます。各々で打ち込み及び確認を繰り返し、それが済んでようやく公開といった流れです。
ちなみに、GRIのブログことCO-WRITEも各社員が入力をして、一部の社員が確認と校正を合わせて行ってようやく公開する、という流れで進めています。もっとも、底本があるわけではないので青空文庫よりも流れは簡易ですが、公開して大丈夫か?という内容を差し戻ししたり、情報が古いURLを更新したり、サムネがなくて寂しいので描いて追加したり……様々な校正及び改良を施したうえで公開されているのがこのCO-WRITEになっています。
皆さんいかがでしたか。そういえば昔教科書にあったあの作品、久々に読みたいな~なんて思ってきた頃でしょうか?休憩の合間や通勤のお供に、青空文庫を活用すれば、わずかな時間をほんの少し豊かにできるかもしれません。素敵な作品とボランティアに感謝をしつつ、気ままに読んでみましょう~!
青空文庫について詳しい内容は「青空文庫早わかり」「耕作員を志願される皆さんへ」にてどうぞ。