雑談

子供だまし?子供向け健康スナックの今

大人だと3人のうち1人が、子供だと6人のうち1人が肥満とみなされる、肥満大国アメリカ。
さすがに小さいうちから肥満に苛まされるのはマズイだろう、ってことで、いろいろ涙ぐましい努力が過去数年されてきたのだが、その甲斐あってかどうか、先月2月に発表された最新統計には期待の兆しが伺えた。

CDC(The Centers for Disease Control and Prevention:米国疾病対策センター)の発表によると、2-5歳の未就学児における肥満率が、2004年には14%だったのが2012年は8%にまで下がった。43%も減少できたのは、かなりの成果らしい。

なぜここまで目覚ましく肥満率を下げられたか理由が色々憶測されるなか、ミシェル・オバマ大統領夫人の「レッツ・ムーブ!」キャンペーンはそのなかでもかなり貢献度の高いものではないかと言われてる。

オバマ大統領夫人は、あまりにも丸々と肥えた子供が多いことに懸念を示し、子供たちの生活習慣の改善を推進すべくこのキャンペーンを4年前に開始した。
もっと野菜や果物を食べよう、もっとエクササイズしよう、などの食生活と運動量の向上を謳う具体的方針を全米の学校を訪問して普及してきた。
なおかつ、糖分油分の高い飲料とスナック菓子の学校内での販売・広告掲示を取りやめるようにも推進してきた。

まだ就学年齢に達してない2-5歳のチビッコたちが直接こういったキャンペーンの恩恵をこうむったわけではないが、オバマ夫人の活動がアメリカ人全体の意識や認識を触発し、ひいては2-5歳の子供をもつ親御さんの生活習慣を改善したであろうという意味では、明らかに貢献度が高いはずだ。

そんなわけで、子供向けの飲み物や食べ物がこれまで通りでは売りにくくなってきてる今日この頃。
従来であれば、糖分ギンギンないしは油分ギラギラのお菓子やジュースに子供受けするキャラクターでもパッケージに貼り付けときゃオッケーだったのに、いまはそんな商品は売りにくくなってきてるわけだ。
となると、いまはどんなモノが子供向けに売られてるのか?各種メーカーが推奨する、昨今の子供向け健康スナックのいくつかを見てみよう。

●泥粘土遊び感覚の野菜&果物スナック「蟻さんと丸太んぼ」
商品サイト

Google 画像検索結果「Ants on a log」とGoogle 画像検索結果

1回分使いきりの小さなパッケージの中に入ってるのは、均等の長さに切りそろえられたセロリ3-4本、干しブドウ十数粒、それとピーナツバター。

セロリのくぼみ部分にピーナツバターを埋め込んで、その上に干しブドウを撒き散らし、そうすると丸太んぼに群がる蟻さんのように見えないことは・・・ないかもしれない。いずれにしても、野菜と果物を使って、あたかも泥粘土細工のような遊び感覚で食べてね、というあたりは、いかにも子供受けしそうな予感。

ただ・・・・セロリとピーナツバターという組み合わせですら軽く込み上げるものがあるのに、その上に干しブドウを合わせるとかいうナンともアメリカンな味覚が、個人的にはちょっと・・・。

●キャラクター付きパウチに入った野菜&果物ピューレ
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オレンジ、バナナ、ほうれん草など各種野菜と果物をピューレ状にして、ピーターラビットなどキャラクター付きパウチにパッケージしたもの。これなら固いものの咀嚼がむずかしい小さい子供でも簡単に摂取できる。

●スナック菓子でおなじみのフレーバーで楽しく味付けする人参スナック
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1回分使い切りのパッケージの中は2ヶ所に仕切られており、1ヶ所には小指ほどの大きさに切られた人参が数十個、もう1ヶ所には「チリ・ライム・フレーバー」だの「ランチ・フレーバー」だの味付けパウダーが格納されている。
パッケージを強くひっぱると仕切りが取り払われ、その後シャカシャカ振ることによりパウダーがまんべんなく人参にまぶされておいしくいただける、という仕組み。

※人参とフレーバーの混ぜ方ビデオ

ようは、ポテトチップスなどでおなじみのフレーバーを人参に応用することと、何かの実験のようにシャカシャカ振るという楽しい工程を加えることで、人参でもとっつきやすくなる、という仕掛けの様子。

●林檎スライスとディップソース

人参に味付けをして子供でも食べやすくするというのは良く分かるのだが、なぜかアメリカにおいては子供に果物を食べさせようとするには、果物の切り身でさえも味付けが必要ならしい。

これまた1回使い切りの小さなパッケージは2つに仕切られており、1ケ所には林檎のスライス数切れ、もう1ケ所はキャラメルソースだのピーナツバターだのが格納されている。
そんな余計なディップソースが余分な糖分摂取につながっているとは分からないのだろうか?!
それとも、アメリカのチビッコからしてみると、林檎も人参くらい味付け無しでは取っ付きにくいものなのか?!

●ディズニーキャラクターが張り付いてる味付け林檎スライス

すでに林檎の切り身1枚ごとに、バニラ味だのブルーベリー味だのブドウ味だの味付けを施し済みで、御煎餅みたいに1枚ごとが個別包装になっている。
なおかつパッケージには、子供がイチコロになりそうなディズニーキャラクターがついている。
ブドウ味の林檎って一体・・・・。
どうやら林檎って、そこまで過度に味付けして可愛いキャラクターで誘導してでもあげないと食指が動かないということが、日本人の身からしてみるとかなりショックである。