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【調査データ考】「ランチの値段はいくらが良いか(PSM分析)調査」結果を観る

弊社では「SmartSurvey」という自分で調査内容を作成し実施できる、セルフ型リサーチサービスの運営を行っており、サービス特徴の一つに「聴取したアンケート結果を終了から1ヶ月後に一般公開する」という点があります。
世の中では様々な「調査」を行っていますが、自分が特に興味がない調査内容も含めそのアンケート結果を「ざざっとかいつまんで『観る』」ことにより何かしらの気づきやヒントになればと思います。

本日取り上げるアンケートは「ランチの値段はいくらが良いか(PSM分析)調査」です。

調査概要
No / アンケート名 4356 / あなたの理想のランチ代は?
アンケート内容説明 ランチ代は自分の懐具合で左右する意外と考え深い金額かと思います。そこであなたのランチ代について色々お聞かせください。【※自社調査となります】
実施期間 2021-06-10 ~ 2021-06-22
実施対象 会員全体
回答者数 79名

 

結論から言うと、ランチの値段は「620円」が売りやすい

調査の分析手法は様々あり、今回はあらゆるものの適正金額がわかる魔法の分析方法(!?)とあわせてご紹介します。
まあ、PSM分析しただけの話なんですが「そんな分析方法知らない」という方も世の中には多くいらっしゃるので諸々ご了承ください。

PSM分析とは簡単に説明すると「4つの価格に関する質問から、消費者が考える4つの価格イメージがわかる」という手法で
詳しくは以下のページなどご参照いただければと思います。

https://www.pref.miyagi.jp/documents/20321/617766.pdf

今回の設問設計などはこの後ご説明いたしますが、仕組みなどは上記説明にてご確認ください。
PSM分析を行うと、各グラフの交点から以下のような結果が出ました。

 

・ランチの値段は620円で売るべし
・800円以上になると、まあ売れはしますがその金額に見合う価値を
どう見せるか創意工夫が必要となります
・ランチは560円くらいなら良いなぁと大体の人が思ってます
・520円以下のランチ、ちょっと安すぎて大丈夫か?と思ってます

意外とピンとくる結果となったのではないでしょうか?

 

調査設計のポイントは「自分が答えたときに迷わず答えられるか」

本職リサーチャーさんには色々と怒られそうな大雑把な調査分析で大変恐縮ですが、これも誰でも調査ができる世界を考えている弊社としての精一杯なので何卒強烈なツッコミはご勘弁いただければと思います。

さて調査の設計ですが以下のような質問の流れで作ってみました。

質問1:これから理想のランチの価格に対する4つの質問を行います。その前に1問、あなたの現在のランチ代はいくらぐらいが多いですか?
質問2:では1つ目に「安すぎてちょっと躊躇するランチ代の最低金額」をお答えください。
質問3:2つ目に「安いなあ、いいとこ見つけた思うランチ代の最低金額」をお答えください。
質問4:3つ目に「高いけどたまには良いかなと思うランチ代の最低金額」をお答えください。
質問5:4つ目に「高くてお店に入るのを躊躇するランチ代の最低金額」をお答えください。

PSM分析のメソッドを元に設問作れば良いのですが、3つくらい設計のPointを説明します。

 

【Point1】質問1でどんなアンケートになるか(理想のランチの価格を4つ聞くよ)を匂わす

今回のような4つの設問で金額を順番に聞いていくような流れは、そのことを簡単に説明しておくことで回答者もイメージしながら回答できるため、こちらが意図していない間違った回答が減るかと思います。
ただしダラダラ説明すると回答者もめんどくさいアンケートとして回答し始める可能性もあるので、必要最低限な簡潔な説明に留めましょう。

【Point2】かつ質問1で「自分の今のランチ代は?」をまず聞く

ここが一番のPointかも知れません。人はとかく見栄を張ったり欲をかいたりする生き物なので、たとえ顔が見えないアンケートでも、そのような行動をしがちです。いきなり質問2の最低金額から質問が始まったときに「まあ俺は800円くらいは安すぎるな(見栄)」と何気なく回答される前に「カウンターの設問」として「あなたは普段いくらですか」と聞くことにより現実に引き戻し、その後の質問をよりスムーズにさせる効果があると思い作成してみました。

【Point3】質問2-5は安い金額から高い金額へ順番に聞いていく

高い金額から聞いても良いんですが、金額は上を見たらきりがないのでまずは一番最低金額から聞くのがいいのではないかと思います。
Point2同様、なるべく意図するデータがうまく取れるように回答者をいい意味で誘導して上げる必要があるかと思います。
このような手法でより身近な問題を解決するための参考になるデータを調査ではとることもできます。
本件に関してなにかご不明な点や「私もやってみたい」などございましたらサイトのお問合せフォームから是非ご連絡ください!!

 

※今回の詳細データはこちらから
https://www.smartsurvey.jp/public_data/detail/4423

「SmartSurvey」
https://www.smartsurvey.jp/