DS検定

データサイエンティストが知るべきビジネス用語:5フォース分析

ビジネスの現状の把握とデータ分析プロジェクトの課題定義に際して、「5フォース分析」が行われることがあります。DS検定(データサイエンティスト検定)のビジネス力分野によく出る用語でもあります。

本記事では、5フォース分析(読み方:ファイブフォース分析)の目的と概要を解説いたします。

■5フォース分析の一言説明

5フォース分析では、業界全体や競合他社の状況と収益構造を明確化した上で、その状況の下で自社が利益を出しやすいか(収益性)を検証します。

5フォース分析の目的

5フォース分析の「フォース」とは「脅威」の意味です。ビジネスの文脈における「脅威」とは「競争要因」を指します。

「5」とは「5つの脅威区分」に現状を分類することです。それぞれの区分を分析することで、業界の収益構造を理解し、自社の競争優位を探りやすくなります。

5フォース分析は以下のような場合、現状を把握するのに役立ちます。

  • ある事業領域に新規参入する場合
  • 新しい製品やサービス、ブランドを展開する場合
  • 業界の動向や脅威を見誤り、企業の業績が伸び悩んでいる場合

 

■5フォース分析の具体的な対象

自社の競争優位性を見つけるために、以下の脅威項目を分析します。

  • 業界内での競争(同じ商品群のメーカーが乱立すると価格闘争に)
  • 業界への新規参入者(部品を調達することで簡単に組み立て・販売開始できる)
  • 代替品が存在するかどうか(同じ目的を果たさせてくれる他の商品群)
  • 売り手の競争力(製品の部品を販売するサプライヤーの交渉力)
  • 買い手の競争力(業界内で選択肢が多い場合、買い手の競争力は強い)

これら5つの視点は「競争が激しければ収益を上げるのが難しくなる」という考え方に基づいています。よって、収益に大きく影響する要素を探索することで、現状の競争の激しさのなかで、自社が何をすれば収益をあげられるか、具体的な施策をたてられやすくなります。

 
担当者:ヤン ジャクリン(分析官・講師)

yan
データ分析官・データサイエンス講座の講師