Tableau BridgeはTableau Cloud(以下は旧名のTableau Onlineと表記)の補助ツールで、オンプレミス環境の参照元データからデータソースを更新するWindowsアプリです。アプリ(Bridgeクライアント)はWindowsのサービスとして動作し、サインインしていない状態でも更新を行えます。
同様なツールに、Tableau Desktopのコマンドラインツール(tableau refreshexractなど)がありますが、2022年2月時点では多要素認証(MFA)に対応していません。2022年7月以降、Tableau OnlineではMFAが必須になるため、Bridgeを導入しました。製品名のTableauは省略します
今回の環境
Windows PC
- Windows 10
- ユーザー権限は管理者(Bridgeクライアントをサービスモードで動かす場合必須)
Tableau Bridge クライアント
- 2021.4.3(20214.22.0108.1039) 64ビット(執筆時点の最新版)
Tableau Online
- 更新するデータソース
- Tableau Desktop 2021.1でパブリッシュしたもの
- 参照元データはテキストファイル
- Bridgeクライアントでサインインするユーザー
- データソースの所有者とは別のユーザー
- Bridge設定時の役割はサイト管理者(設定後はサイト管理者外してよい)
- 認証方法は多要素認証を備えたTableau
Bridgeの導入手順
次の順序で行います。
- BridgeクライアントのインストールとOnlineへのサインイン
- Onlineで更新スケジュールを設定
- Bridgeクライアントで参照元データの設定
BridgeクライアントのインストールとOnlineへのサインイン
Bridgeクライアントをダウンロードし、デフォルト設定でインストールします。パブリッシュに利用したDesktopのバージョンにかかわらず、Bridgeは最新バージョンで問題ありません。
インストール後、タスクトレイにアイコンが表示されます。Bridgeクライアントの操作はこのアイコンから行います。
アイコンを左クリックし、Onlineのサインイン画面が表示されればインストール完了です。完全にインストールが終わるまで表示されないため、環境によっては3分ほどかかる場合があります。
Onlineにサインインします。
アイコンを左クリックし、✅接続済みと表示されていることを確認します。
アプリケーションモードからサービスモードに変更します。
Windowsのユーザーアカウントを入力し、サービスモードに変更されていればBridgeクライアントの設定はいったん完了です。データソースの更新スケジュールをOnlineで設定し、データソースと元データの紐づけが必要な場合は、再度Bridgeクライアントで設定します。
Onlineで更新スケジュールを設定
Bridgeの更新スケジュールには2種類ある
Bridge(レガシー)スケジュールとOnlineスケジュール(Bridge2021.4.1から対応)の2種類があり、データソースごとにどちらか一方で設定する必要があります。
今回はレガシースケジュールで進めています。Onlineスケジュールの場合、以下は異なります。
WebブラウザからOnlineにサインインします。BridgeクライアントをインストールしたPCとは異なっていても構いません。
データソースを選択→その他のアクション(…)→Bridge(レガシー)スケジュールを選択します。BridgeクライアントをインストールしたPCを選択し、更新スケジュールを設定します。
設定が完了すると、Bridgeクライアントにデータソース名が表示され、クリックすると、更新スケジュールが表示されます。(初回は数分待つ場合がありますが、以降はほぼリアルタイムに連動するようです)
Bridgeクライアントで参照元データの設定
編集を更新設定したデータソースについて、参照元データへの接続を設定します。例えば元データがデータベース接続の場合、ここで認証情報を入力します。
最後に、今すぐ実行を選択し、Onlineでデータが更新されたのを確認できたら完了です。
FAQ
更新スケジュールを変更したい
Onlineで設定します。データソースを選択→抽出の更新→既存のスケジュールのアクション(…)から変更します。
データソースのその他のアクション(…)→Bridge(レガシー)スケジュールを選択すると、既存スケジュールの変更ではなく、別途新規のスケジュールを追加する形になります。
タスクトレイのアイコンが変
参照元データへの接続に問題がある場合、アイコンに!が表示されます。
参照元データがファイルベースの場合で、初回パブリッシュした時とファイルパスが変わっている場合、ダイアログボックスが表示されますが、更新が実行されるまで反映されないため、エラーが繰り返し表示されます。ファイルパスを変更した場合は、今すぐ実行で更新するとエラーが出なくなります。
また、BridgeクライアントがOnlineが通信中も、アイコンが変わります。
Onlineの認証方法を変更する
IDパスワード認証からMFA認証への切り替えなど、認証方法を切り替えた場合、そのユーザーでサインインしているBridgeクライアントはサインアウトされ、新しい認証方法でサインインすることになります。
この自動サインアウトまでは数分以上かかるため、Windowsを再ログインするほうが早いです。
更新が正常に動かない
画面上特にエラー表示が出ないにも関わらず、更新が行えない場合がありましたが、Windowsを再起動すると動きました。
何らかの原因でサービスが停止したと考えられます。
ログを見たい
ログは下記に出力されています。
(マイドキュメント)\マイ Tableau Bridge リポジトリ\ログ
バッチファイルに組み込みたい
直接Bridgeクライアントを起動はできなさそう? OnlineスケジュールならAPI経由で更新指示ができるようです。