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楽しいナイトライフを求める海外旅行者と地元通の現地人をつなげる、ネオ「おもてなし」プラットフォーム!

楽しいナイトライフを求める海外旅行者と地元通の現地人をつなげる、ネオ「おもてなし」プラットフォーム!

先週火曜日から金曜日まで1人で海外出張に行ってきた。日中はガッツリ働いていたが夜は訪問先の会社の方が夕飯に招待してくださり、火曜から木曜まで3晩連続、代わる代わる色々なグループの方と御相伴にあずかり交流を深めることができた。

で、金曜は仕事も早めに終わり、せっかくなので翌日土曜日に飛行機に乗る前に街を散策してみることにした。夕方4時頃から1人でブラブラ練り歩いては気になる感じの小間物屋を覗いたり……なんてことをしているうちに、あっという間に夜9時くらいになってしまった。

本当ならば、せっかくの機会なので(しかも経費にチャージできるので)、高級でも美味しくてサービスも雰囲気も良い所で食事したかったのだが、そういう店に1人で、しかも私のような微妙な年頃の女が独りで行くにはイマイチ気が引ける。というかそもそも、どこにそういうイイ店があるのか皆目検討がつかない。とりあえずは近場のコーヒー屋に入り、お茶とケーキで休憩しつつ、スマホで付近のレストランを検索してみるが、やはりネットの情報だけではピンとこない。そんなこんなでモタモタしてたらあっという間に10時も過ぎてしまい、多くのレストランの閉店時間となってしまった。で、結局どうしたかと言うと、食事は諦めて宿泊しているホテルに戻り、ホテルのバーで高い酒を空きっ腹に3杯飲んだったわけだ。

さすがにホテルのバーだけあって、私と似たような境遇にあると思われる、1人海外出張者の独り酒、的な独り客男性がチラホラ伺える。空きっ腹に1杯目が効き出した頃、酔った勢いも手伝って「こんなひとりで飲んでてもつまらないから、あそこの独り客に話しかけたったろうか?!」とか本気で思ったりもしたが、明らかにアブナイ人と(いやアブナイ人と思われるレベルならまだマシで、下手すると落ち目の売春婦が客引き目当てで声かけに来たのかと)疑われる可能性もあるので、やめといた。

で、2杯目を飲みながら、話し相手もいないので思想に耽った。こんな風に出張先で訪れた異国の街で、仕事も終わり後は帰るのみというリラックスした気分の金曜の夜を、出来れば楽しく過ごしたいと思ってるのは私だけじゃないはず。実際このバーの中にいる向こうのカウンターに座ってる男性も、あちらの奥のソファに座ってる男性も、同じ思いで飲んでるはず。こんだけネットを介して色んなことが出来る世の中、そういう人たちを集めて「出張最後の夜、ナイトライフを楽しむ集い」的な集まりの徴収をかけたり参加登録をできたり、といったようなサービスはないのだろうか?ないしは、出張者同士がそういう徴収・登録をするというよりは、現地の人がそういう集まりを仕切ってくれたら、色んな店や地元情報も豊富だろうしもっとイイ。そんなサービスがあるのなら、現地人にチップを払ってでも参加したい。

3杯目を飲みながら、相変わらず手持ち無沙汰なので、そんなサービスがないかどうかスマホで検索してみることにした。そしたらなんと、あったわけですよ!同じようなことを考える輩というか、そういう隠れたニーズを確実にドブから拾い上げて商売にしてる輩が!

そのサービス・プラットフォーム名は、Zoola Fix。なんと去年12月にサービスが始動したばかり。サービス利用者は、これから自分が訪れる国と街と訪問時期を入力すると、その場所その期間に応対可能な「Fixer(フィクサー:おもてなし要員)」リストが検索結果として現れる。

リストには、「Fixer」の得意分野(ジャズクラブに通じている、とか)、案内できる場所のタイプ(レストラン、ゲイバーなど)、話せる言語、その他プロフィール内容も表示される。またFixerは、店の予約、飲食オーダー、入場制限の厳しいクラブでもスムーズに入場できるようセットしてくれた上で一緒に夜を過ごしてくれるので、それら諸々のおもてなしサービスに対してのチャージ料金というのも掲載されている。なので、どういう夜をどのくらいの予算で過ごしたいかによって、自分の希望にあったナイトライフを案内してくれそうなFixerを選び、その人にコンタクトして詳細を決める……という流れなようだ。

Zoola Fixは、利用者が払ってくれたチャージ料金の20%を「Fixer」より徴収することで商売をしているらしい。たとえばサンフランシスコの「Fixer」ベン(33歳)は、一晩あたり95ドルを利用者にチャージするということなので、ベン自身は76ドルをもらい、残り19ドルはZoola Fixに対してプラットフォーム利用料として納めるという形らしい。

ある意味、AirBnBが旅行客と地元民の家をつなげるプラットフォームであるならば、このZoola Fixは、旅行客と地元民の地元知識&接待時間をつなげるプラットフォームとでも言う感じだろうか。

Zoola Fixは2014年12月18日サービス開始時はロンドンとニューヨークの2都市にしか対応していなかったが、2月初旬のいま、すでに14カ国27都市にまで対応している。ただ残念ながら日本はまだ加わっていない。

日本のように言葉は通じないわ、道は入り組んでて分かりにくいわ、でも訪れたい場所満載な国であれば、こんなサービスを提供したら利用したい海外旅行客がたくさんいること間違いなし。むしろこのZoola Fixなどという外資のプラットフォームに後続で参加するよりも、日本の誰かが日本専用おもてなしプラットフォームを作ったほうが、細かいところまで行き届いた質の高いサービスを提供できそうな気もする。それに日本では英語スクールで習い事をしたりと、英語は話せるけど使う機会がないという、おもてなし要員を勤められる実力者もたくさん存在してそうだし、ニーズに合致するだけのサプライも潜在してるだろう。

2020年東京オリンピックも近づく今、こんなニーズは海外出張者からだけでなく確実に飛躍的増加を迎えるはずなので、どなたか是非立ち上げてみてはいかが?