問題
ふつうこうはならないじゃないですか。
イヤホンをほどいている間に終業時間が来てしまいそうです。
毎朝通勤中のリュックの中で何がどうなってこうなっているんですか。私のリュックの中にイヤホンを絡ませるのが好きな妖精が住まっているとしか思えません。
いや、簡単に科学的思考を捨ててオカルトに逃げるのは愚者の行いです。ここはイヤホンがリュックの中でどのような動きを経てこんな朝顔の蔓みたくなっているのかを解析し、そこから解決策を導いていきましょう。問題にぶつかったとき必要なのは原因を究明しようとする意思と、失敗を恐れない執拗さであるはずです。
1、観察
まず、問題の根本をよく観察してみましょう。
私の目に見えるこの世の物なら大抵物理法則に則って動いているはずです。恐れずにイヤホンの流れを感じ取りましょう。
よくみてください。一番絡まっているここですが、
観察すると、一本はクルンってなっているだけです。それを支柱にしてもう一本が朝顔しているようですね。複雑に思えた問題は、よく目を凝らしてみると実は単純なものだったりするのかもしれません。
2、理解
イヤホンの絡まり方を単純化するとこうです。
構造は大体掴めましたね。そしたら、リュックの中でどんな風にイヤホンが絡まったかをCGで実際に見ていきたいと思います。
3原因究明
イヤホンの絡まる過程観察を簡易的に行います。今回の方法では精度は高くないですが、雰囲気を見るには十分だと判断します。今回blender(3DCGソフト)解説の記事ではないので説明は雑でいきます。
まず、テキトーにイヤホンのフリーのライセンス大丈夫な3Dモデルをネット上で探し、3DCGソフトにブチこみます。
そしたら、このイヤホンにボーンを設定します。
ポーズモードで最初の段階のキーフレームを取って、何フレームか動かしてボーンを図解通りに絡ませて、またキーフレームを設定します。
良い感じに絡まりましたね。
「ひぇえ!いきなり3DCGソフトのこと言われてもわからないよ~」って人に今やったことを説明します。私は今、絡まる前の状態のイヤホンをスタートラインに、絡まった後の状態のイヤホンをゴールに置きました。すると、3DCGソフト君が勝手にスタートからゴールまでの間のアニメーションを補完してくれる仕組みです。つまり、3DCGソフト君がリュックの中で大体イヤホンが大体どういう過程を経て絡まっているのかを、アニメーションで見せてくれるのです。(ボーンすり抜けちゃう物理演算無し最短ルート簡易版なので、ゴールに向かうまでの走り方がおかしかったりしますが、今回はとりあえず雰囲気だけ見られれば良しとします)
さっそく再生してみましょう。
これは妖精居ますね。
リュックの中でイヤホンがひとりでにこれほど動くとは考えにくいです。それに、何度も言いますが、この映像は簡易版なので、実際はこれよりも複雑な動きを経ているはずです。
イヤホンという意思を持たぬ物質ごときはそんな蛇みたいに動きません。
います。妖精はいます。
4対策を調べる
原因がわかったら、対策を調べましょう。玉石混合情報格差社会ではネット検索スキルが明日の生死を分かちます。先人たちが見つけた正しい対処法で効率的に問題を解決していきましょう。
妖精にも様々な種類があるようですが、どうやらミルクやお菓子、いたずらが好きで教会の鐘の音、鉄が嫌いなようです。
5策を講じ、実行する
戦いと和解の道が同時に示されたとき、優しい選択ができる人間でありたい。
ミルクたっぷりカフェオレとチョコチップクッキーです。「妖精さんへ 私のイヤホンで遊ばないでください」と書いたメッセージカードも付けました。妖精さんが日本出身とは限らないので、(自動翻訳の)英訳も付けています。
恥ずかしがり屋の妖精さんもこれで心を開いてイヤホンへの陰惨な嫌がらせをやめてくれることでしょう。
6結果
次の朝、また絡まっていました。
策が不発に終わるのはよくある事です。大事なのは失敗を恐れない執拗さです。雨が降るまで様々な方法で雨ごいを試し続けましょう。次の策を実行に移します。
もし教会の鐘がどこで買えるか知っている方が居たら、私にテレパシーで教えてください。根絶やしにします。