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「SONYの開発18か条」を今考えてみる【後編】

3回にわたり「SONYの開発18か条」を改めて考えてみます。サラッと流し見するニュースや格言が多いですが、じっくり考えてみるのも良いものだと思いました。ちなみにこんな感じの内容です。

 

第13条:他社の動きを気にし始めるのは、負けの始まりだ

他社の動きは気になりますが、それに引っ張られて自社の良いところが失われたり、そんなに深く吟味されてないものを模倣して両社ともコケる可能性があったりというところでしょうか?常に市場のNo1を目指す場合は確固たる自我を持ち自身で切り開く必要性があるってことかと思いました。実際にやるときついんだろうな、な第13条ですね。

第14条:可能と困難は可能のうちに

この文章を初見で理解ができず調べましたが、あまりこんな格言を1つずつ考えている人いないんだなぁという結果でした。おそらく「可能」も「困難」もどちらも「可能」だよねということかと思われます。第5条をおさらいすると「できない理由は出来ることの証拠だ」これと同じ感じですね。被ってね?と思う14条でした。

第15条:無謀はいけないが、多少の無理はさせろ。無理を通せば、発想が変わる

はい、超サイヤ人理論ですね。会社員の戦闘能力はいかに経験を積んでいるかと考えています。無理と思えるような局面を体験していなければ一辺倒のある意味「ぬるい」発想しか生まれず、新しい発想からの飛躍もなくなってしまうのでしょう。発想とは単純な仕事のやり方だけでなく、関わる人や組織の立場やパワーバランス、納品したサービスのエンドユーザー、時間/タイミングなど、関係する事柄全てに想像力を働かせることだと感じる今日このごろな第15条です。

第16条:新しい技術は、必ず次の技術によって置き換わる宿命を持っている。それをまた、自分の手でやってこそ、技術屋冥利に尽きる。自分がやらなければ、他社がやるだけのこと。商品のコストもまったく同じ

何かしらのルールや項目を決める際のテクニックとして「数を先に決める」って方法があります。例えばサービスコンセプトを「3つ」とか決めてひねり出すやり方で、第15条の考えにも通じるところがあります。で、第16条、急に語り始めたのでひねり出したんでしょうか?長い格言は正直なところ嫌いです。さて、内容としては自分で生み出したものを自分で更新させる、それって技術屋としてイケてるよねってことですよね。アスリートの世界、わかります。これが出来る人間になりたいと思わせる第16条。

第17条:市場は調査するものではなく、想像するものだ。世界初を出すのに、調査のしようがないし、調査しても当てならない

P&G、キーエンスなどが行うマーケットインに対し、SONY、Appleが行うプロダクトアウトの考え方ですね。世界をより良くするため現在あるものにこだわらず、利用者の遥か上を行く発想で世界を変える。しびれます。ただし根底にあるのはどちらも同じく「利用者を思うこと」。P&Gの理念「Consumer is Boss」からもわかるように、企業はデータやユーザーのことを真剣に考えることから商品やサービスを生み出すことが重要。そんな第17条。

第18条:不幸にして、意気地のない上司についたときは、新しいアイデアは上司に黙って、まず、もの(プロトタイプ)をつくれ

最後です。良いと思うものは理論やアイデアだけではなく、実際に動いてみて良いことを見せれば納得度が上がるよねということですね。自身で作ることで上司が渋っていた理由、原因であるアイデアの欠点などが見えてくる可能性もあるし、それがベースとなりもっと良くなる可能性もある。止まってるやつより動いてるやつが正義。少し曲解しているかもしれませんが、ラスト第18条も納得です。

 

さて、3回にわたりSONYの開発18か条を考察してきました。
SONYの商品にはいろいろと人生を豊かにしてもらいましたが、また1つ追加されました。

hiroyoshi usui
ディレクター、Keep it simple, stupid.