データサイエンス

次に現れるのはどこ?UFO目撃情報をTableauで可視化する

こんにちは、分析官のYです。
GRIでは自社データの分析・可視化に悩むクライアントの相談をよく受け、そうした方々の悩みを解決するため分析を行い、ダッシュボードの形でそれらをお渡します。それらを作成していて思うのは、分析手法などを知っているのはもちろん大事ですが、この分析内容を誰がどのように使うかという点を一番に考える事が何より重要だと言うことです。それらを想像できないと、表の羅列になったり、思考フローや業務フローとはことなる順序で数値が並んでいたり……となりがちで、思考が働かなくなるダッシュボードができてしまうからです。

ということで、本日は人が何か意思決定するためにこの数値をみる…
それらをリアルに考えながら簡易分析ダッシュボードを、データ分析・可視化ソフトウェア「Tableau Desktop」を用いて作成してみたいと思います。

扱うのは「UFOの目撃情報データ」。自らUFO目撃を目指す人のためのダッシュボードを作っていきましょう。

UFO目撃情報を可視化する

■環境
Tableau Desktop 10.4
Windows7
■データセットの説明
本日使用するのはdata.worldに掲出されているUFOの目撃情報のデータセットです。下記のサイトには他にもユニークなデータセットが多数ありますので、機会がありましたら利用してみてください。
参考. https://data.world/aarranzlopez/ufo-sights-2016-us-and-canada

・データの内容
目撃日時、目撃都市、形、目撃証言の要約、経度・緯度情報というシンプルな内容となっています。

・分析のゴール
今回はUFOを実際に目撃したい!と思っている人のために分析を行ったという想定で分析してみましょう。
ターゲット:UFOを実際に目撃したい人
上記のターゲットには何を可視化してあればターゲットはUFOを目撃するための意思決定できるでしょうか。おそらくターゲットは「UFOを目撃できる可能性の高いエリアを探す。」「その際に目撃したいUFOの形状や、出かけるにはどの時期がいいかを考慮するはず」……..
上記の仮説をもとに必要な情報を考えてみました。

位置情報
目撃時期
目撃件数
目撃証言の信憑性
目撃したUFOの形状

これらの情報を整理した形で得ることができればターゲットは、意思決定を行うことができます。また情報の絞る順序は重要です。ターゲットをよく考えてみてください。広いアメリカですので、そんなに遠くへいくことは難しい….おそらく単に目撃件数が多いところを選ぶというよりは、ターゲットは自身の居住地域に近い地域をという観点で、目撃情報や期間情報がほしいはず。となるとこの場合、【●●州で、●●形状のUFOを目撃するならば、この時期!】という情報のほうがほしいのではないでしょうか。では早速これらの考えをもとにシートおよび、ダッシュボードを作成してみましょう。

分析シートの作成

■マッピング
まずは、位置情報を用いて目撃情報を可視化してみます。
地域ごとに目撃情報のランキング表を作成するなどのアイディアもありますが、今回は一覧性を重視して地図上で表現したいと思います。Tableauでの操作は非常に簡単で、Tableauのシート作成画面で以下のように経度・緯度を列と行に投入しTableauの表示形式「記号マップ」を選択するだけ。ただこのままだとマッピングした際に、目撃情報を件数がわかりにくいのでプロットされる点の大きさが目撃情報の件数に伴って大きくなるようにサイズと色に【レコード数】に投入して視覚効果をつけましょう。またフィルターには【shape】を設定することで、形状の絞込みを行えるようにしてみました。

この操作で位置情報と件数を可視化することができます。またフィルターで形状を絞り込めるので、このシートには位置情報、件数、形状の情報が読み取れることになります。
■時系列推移の作成
次に時系列で目撃件数をみて、どの時期に訪問すべきかを知りたくなりますね。作成は下記のように【Date/Time】を列に、【レコード数の合計】を行に入れて、表示形式を「線グラフ」を選択ことで簡単に時系列推移が作れます。またターゲットは先ほど作成した地図をきっかけに都市を絞り込めるはずなので【Shape】に加えて【City】をフィルターに入れてみましょう。

これで先ほどの地図と組み合わせれば地域×時期情報×形状でターゲットは場所を絞り込めるはずです。
■目撃証言の作成
次は目撃証言に信憑性があるかのチェックです。
【Date/Time】【City】【shape】を入れてテキストに【Summary】を入れて、表示形式【テキスト表】を選択します。すると下記のように表形式で目撃証言を可視化できました。

ダッシュボードの作成

これでターゲットが必要な情報が全てそろいましたので、ターゲットが情報を整理しやすいようにまとめてみたいと思います。今回はあらかじめ完成させたダッシュボードでコンセプト説明したいと思います。ダッシュボードにまとめる上で色合いなどは調整してますが、構成は変更しておらず主要部分は上記で作成した

・地図
・時系列推移
・証言

3シートで構成されています。
■説明
ターゲットの遷移イメージを説明すると、
・地図全体で目撃情報が多い地域を特定
・その地域で目撃情報が多い期間を時系列推移から確認
・目撃情報の信憑性を証言から確認
この3つの動きでターゲットがUFOを目撃するために行くべき都市と期間を選定してもらうイメージとなっています。またその際に形状にこだわりを持つ場合にはフィルタにて形状を指定することで、見たい形状のUFOに絞ることができます。これであれば、自分の居住地域に近いところで、最適な時期にUFOウォッチングにでかけることができるのではないでしょうか。

いかがでしたか。
今回は日々可視化において意識している事をもとに分析ダッシュボードを作ってみました。
この例ではターゲットが明確で、目的もわかりやすいものなので非常に作りやすいです。ですが、実案件の場合は、目的そのものやターゲットを絞ることからはじまりますのでさらに深く考える必要があります。しかし、このように相手が何を意思決定したいのか、その決定する流れを形にするという点を意識すれば可視化された内容はクライアントが求めるものに近づくと日々感じています。

以上、「UFOを目撃してもらうため、Tableauで可視化してみた。」でした。
(担当:分析チームY)