データサイエンス

Tableauのパラメータはフィルターとどう使い分ける?

Tableauにおけるフィルターとパラメータ、一見はどちらも値を選択するための機能として似ているように感じます。今回はパラメータがフィルターとどう違うのか、そしてパラメータの用途に着目していきたいと思います。

まず、大枠的な目的が異なります。フィルターはビューに反映されるデータを絞り込みます。データの行を削るように働きます。これに対してパラメータは、「変数」であり、ユーザーが入力した値を用いてダッシュボードの設定値を変更します。データ自体は削減されず、計算のロジック等を変更しています。計算式をいちいち編集して固定値を変更しなくても、ユーザーが専用の操作パネルからパラメータの値を設定ことができ、その設定値は当該パラメータが使用されている計算式の中で反映されます。Tableauの編集方法を知らないフロントユーザーであっても計算式を間接的に変更可能になります。そうすると分析の自由度が大きく上がります。

次に、フィルターは設定によって単一の値でも、複数の値でも選択することが可能です。これに対して、パラメータ1つにつき値を1つのみ制御可能です。例えば[企業名]というフィールドがあるとします。[企業名]をフィルターに設置した場合、ビューに表示する企業名を複数個選ぶことができます。そうすると、これらの企業名の数量を足し合わせることもできます。一方で、[企業名_P]というパラメータを作成し、(今回は詳細を省きますが)フィルターカードで企業名がこのパラメータ[企業名_P]で入力した企業と一致する場合のみその企業の情報を表示するようにすることができます。しかしこの場合企業名は結局1つしか表示できません。

もう1つは適用範囲の違いです。フィルターはデータに連動するため、基本的には特定のビュー(複数可)、またはデータソースごとに適用するように設定することができます。これに対して、パラメータはその作業中のTableauワークブック全体に影響する変数です。すべてのビューに共通して使用可能です。複数のデータソースが互いに県連付けられていない状態で独立に1つのワークブック内で使われている場合でも該当します。

以上の話を表にまとめると次の通りになります。

フィルター

パラメータ

役割

データの行を絞り込む

値を入力し、計算に影響する

影響範囲

ワークシート(複数可)、データソース

ワークブック全体(全データソース)

項目数

複数選択可能

単一値

 

パラメータの代表的な用途例

詳細は別記事で実装法とともに紹介します。

これらの重要な使い方は、以下に帰着します。

計算式をいちいち編集して固定値を変更しなくても、ユーザーが専用の操作パネルからパラメータの値を設定ことができ、その設定値は当該パラメータが使用されている計算式の中で反映されるます。

  • TopNランキングの制御(例:グラフの表示件数を制限)
  • 閾値の設定(例:売上が特定の値以上となるカテゴリのみ表示する)
  • 検索窓(入力した文字と部分一致した商品名のみ表示する)
  • 指標の切り替え(例:グラフに表示されるメジャーを売上 / 利益 / 数量の間で切り替える)
  • シート切り替え(例:1つのシート内で棒グラフまたは線グラフを切り替える)
  • シート切り替え(例:時系列グラフの軸の単位を、年/月/日で切り替える)
  • 昨対比(同じシート内で、今年の金額と昨年の金額を同時に表示し、その比率を計算する)

図1:TopN制御の例

図2:表示指標切り替えの例

もしよければ、上記の実装例はどのようにパラメータを使用しているのかを連想してみてください。後続の投稿ではこのうちのいくつかを解説する予定です。

yan
データ分析官・データサイエンス講座の講師 「G検定」の分野で講師と著者として活動しております。 著書には以下のものがあります。 ◯ディープラーニングG検定(ジェネラリスト)最強の合格テキスト[第2版] [徹底解説+良質問題+模試(PDF)] /  ◯ディープラーニングG検定(ジェネラリスト)最強の合格問題集[第2版] [究極の332問+模試2回(PDF)]
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