TableauでViz(ダッシュボード)を作る際にどういう思考で作成していっているかを、私の実際に作ったものを基に執筆してみています。ネタはこちらのViz。
以下の5回にわたりお送りいたします
- 第1回:何を作ろうか(題材選び)
- 第2回:どう作ろうか(データの入手や表現方法)
- 第3回:どう整理しようか(データやレイアウト)
- 第4回:どう改善しようか(作成後の話)
- 第5回:今後どうするべきか(理想の未来)
作ったら終わりではない
よく自分で料理でも趣味系の創作物でも、何かを作った直後は「イヤーいいもの作れた」となってしまいます。それまでの努力とか苦労とか工夫とかが形になるとそう思いがち。ただちょっと時間をおいてから見てみるとイケてないところが多々あったりします。また、データは常に更新されるものが多いので、そこら辺を交えて今回お話していければと思います。
まず最初に当時作成したものはこちらなんですが、この最初のもので「イケてない点」解説してみます。
- イケてない点1:画面サイズ
いつもはノートPCではなく固定ディスプレイ使っているのでそちらのサイズで作ってましたが、ふと自身のノートPCで見てみると全然収まってない…… - イケてない点2:コントロールが右に
上記に関連してサイズが収まっていないから右に置いた絞り込みとかできるコントロール部分が見えない!全然ダメ…… - イケてない点3:左側のサイト参照
棋士番号で各プロフィールページが公式サイトに作られていたので連動して表示するようにしました……がちょっと場所を取りすぎていてなんだかな…… - イケてない点4:「九段*」
「九段*」は九段だけど永世タイトル保持者……分ける必要性がなく九段にまとめていいんじゃない - イケてない点5:年齢での表
粒度が細かすぎて年代とかでまとめたほうが良い気が、、、最初からしてたけど…… - イケてない点6:年齢と平均対局数/勝率
典型的な作っただけグラフ……あんまりピンと来ないし左の「年齢/段位と勝率」と読み取れることが同じすぎる
ほんとはイケてないこの初稿、抹殺したいところですがあえて残しておきました。他にも色々あるかもしれませんが皆さんはどう感じますでしょうか?
このように振り返りは非常に重要です。とかく実務案件では納期もあるかと思いますが、その日の作業やチェック前など定期的に「振り返る」ことで、改善点を積み上げてよりよいVizを作るよう心掛けていきましょう。
※と言いつつも上記に手を入れた2つ目の新造ダッシュボードは2023年10月に作成しているのでだいぶほったらかしてますが……
作ったら必ず自分で見直して自分に駄目出し/粗探しをするのだ
データ更新話を少し
2つ目のテーマ、データの更新です。前回の「データ取得/整理」の部分では詳しく述べてはいませんでしたがデータ更新をイメージして構造を考える必要があります。検討点での関連個所はここの部分です。
- 検討4:年別データはそれぞれページが分かれていた
まあそりゃそうだ、あとでユニオンすれば問題ない、データはシート単位で持たせておけばメンテナンスも楽そうだからそちらに切替で、つかう年データは藤井さんが活躍し始めた前の年からでいいや
当初1シートに全データを入れようと考えていましたが、今回のケースではあまり得策ではないと思いました。以下のようにデータが「月次でまとまっている」からです。
今回のデータもそうでしたが「月次データ」でまとめられている場合が多く発生します。その場合はやはり初期のデータ構造もデータは分離されている状態からどう整形するかを考える必要があります。手法としては以下あたりになります。
- tableau desktopでの直データ接続をしてTableau データ ソース内でユニオン
https://help.tableau.com/current/pro/desktop/ja-jp/union.htm - Prepで整形
https://help.tableau.com/current/prep/ja-jp/prep_combine.htm - 手動で作る
一番やっちゃいけないのは「1シートに手動で年次データまとめてつくる」ですね。めんどくさすぎる。あとこの際によく使うテクニックのキーワード「ワイルドカードユニオン」があります。年次データなのでファイル名/シート名に年を入れるなど規則性を持たせておけばこの機能が利用できるので、取り込みやすいようにフォルダ構成やシート名などもよく考えましょう。
データ整理はいかにして未来を考え、かつ手動箇所を減らせるかだ
ここまでが「どう改善しようか(作成後の話)」です。このパートは10分とか1時間とか断続で触っているので、どのくらい時間がかかったのか定かでないです。気になった点を手直し繰り返しているからです。ほんと気になった点を触っているだけ、かなり時間が溶けますので注意しましょう……