デザイン

フォントを太さで使い分ける

フォントによっては、太さ(ウェイト)の異なるものが数種類セットになっている場合があります。
そこで、今回は太さの使い分けについてお話しますので、ご参考までにどうぞ。

太いフォント

ヒラギノ角ゴ StdN(左)とヒラギノ明朝 StdN(右)

太いフォントは明朝、ゴシック問わずとにかくインパクトがあります。男性的な力強いデザインや、タイトルロゴ、一番見せたい部分(例えば、スーパーのチラシでいうと値段の部分)に使うと相性が良いです。
個人的に、太いフォントの最大の長所は、視認性が高いことだと考えています。
線の面積が広いので、柄物の上に置いても埋もれにくくしっかり見えます。

欠点は、文字の大きさが小さいと線と線の間の余白がつぶれて逆に読みにくくなることです。上記の理由もありますし、太いフォントはできるだけ大きく配置した方が活躍できそうです。

太いフォントと相性が良い一例

・タイトルロゴ
・スポーツ系などのパワフルな広告
・商品の値段部分など、より強調したい部分
・背景の柄を生かした制作物

 

細いフォント

細いフォントはしなやかさ、スマートさ、繊細さを演出しやすい傾向にあります。余白がたくさんあるので、無地の背景の上に置くと落ち着きのある雰囲気が出て効果的です。この雰囲気を気軽に出せるのは細いフォント特有ともいえます。
ただし、視認性の問題がついて回るのが細いフォントの宿命です。
柄物の上に置けば埋もれやすいので汎用的なタイトルには使いにくく、かといって本文に使うとなると、小さい文字では線が細すぎて消えかかったりします。
逆に、工夫して適切に使えば効果的な演出で差をつけられるということになります。このことから、細いフォントを扱うのは上級者向けと言えます。

細いフォントと相性が良い一例

・ロゴ周りの飾り(あしらいの類)
・化粧品や美容
・抹茶や伝統工芸品

 

中くらいのフォント

中くらいのフォントは、主に本文の文字に向いています。太すぎず細すぎないので、文字のサイズが小さくても、余白や線がつぶれにくいです。

本文に使えるということは、言い換えると無難な太さということになります。
つまり、個性を出す場においては少し扱いが難しいです。タイトルロゴなど、印象が大事なものに対して何の策もなしに使った場合、余白でスッカスカに見えて締まらない印象になります。
使い方が重要です。

中くらいのフォントと相性が良い一例

・プレゼンの本文
・招待状の詳細文
・サブタイトル

 

以上の話を表にまとめるとこのようになります。
大:50pt 中:30pt 小:8pt
ヒラギノ角ゴ StdN W1、4、6、9

そして、印象としてはこうなります。このフォントは割と見やすいフォントなので見づらさは軽減されていますが、ほかの多様なフォントでは顕著にこの特徴が出ることがあります。
特に、明朝体など線の強弱が激しい文字ほど発生しやすいです。ご注意ください。

当然ですが、用途で大きく異なるのであくまで参考までにご覧ください。

個人的な目線も入りますが、視認性及び汎用性は縦中央2列が高い印象です。デザインで迷ったときは、中~少し太めなフォントで作るとよいでしょう。(ヒラギノならW3~W6あたり)
一度作ってみて太すぎる、または細すぎると思った時には、適宜太さを変えて調整すると安定しそうです。

 

おまけ:筆文字

KSO黒龍爽(左)と青柳衡山フォントT OTF(右)

筆文字は中~太くらいな印象です。落ち着きのあるしなやかなものから躍動感あふれるものまであります。
こちらももちろん用途次第にはなりますが、しなやかなものは文字サイズ小~中ぐらいに、躍動感があるものは大きく配置するとより生かせそうです。

NH
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