雑談

最初に生まれた子供が一番優秀!?

 

一人っ子はワガママ、長子はしっかり、末っ子は甘えん坊・・・兄弟の有無や生まれ順による性格的なイメージってありますよね。
もちろん、このようなイメージはステレオタイプであり、例えば一人っ子はこういう人間だ!と決めつけるのはナンセンス。それでも血液型による性格診断と同じように、何となく「やっぱりあいつは末っ子だなぁ」なんてつい考えてしまいます。

一方で、自分が育ってきた環境が自分の人格形成に影響している事は否定できないのでは無いでしょうか。筆者は末っ子ですが、末っ子的な要素をたぶんに持ち合わせていると自覚しております。

さて、もし兄弟の有無や生まれ順によって能力の違いがあるとしたら・・・?
何とイギリスの大学でこの問いに対する答えになるかもしれない研究結果が発表されました。

エセックス大学の社会経済研究所(ISER)で行われた研究では、長女は統計的に最も意欲的(aspiring)で、高学歴だと結論づけています。そして次に来るのが長男だそうです。

過去の研究によって、長子が最も教育的な到達点が高い事がわかっています。今回の研究では過去の研究成果をさらに深めるかたちで行い、長子が最も意欲的であり、それが教育的到達点を高める事に寄与していることがわかりました。また、私達の研究は兄弟間の年齢差が教育的到達点に大きく影響することも発見しました。

”教育的到達点”というのは、あくまで学歴など学校教育における到達点を指しているので、それがそのまま”優秀さ”を表す訳ではありません。それにしても、末っ子の筆者には中々衝撃的な結論です(笑)。

研究対象となった1,503組3,532人の子供達において、「教育を受け続けたい」と回答する割合は、長子が下の弟や妹より7%も高く、さらに長女の場合、長男に比べ13%もこの割合が高かったそうです。そして、実際にその時点より高い教育機関に進学する確率は、長子が16%も年下の兄弟姉妹に比べて高いそうです。

要するに、優秀さはさておき、長子は教育を受け続ける意欲が高い、ということですね。自分を振り返ると、確かに兄より勉強に対する意欲は格段に低かった気がします・・・。

この研究では、その原因(なぜ長子は意欲的なのか)まで特定はしていないようですが、やはり最初の子供は親の期待も大きく、その期待に応えようとする、という事は充分に考えられますね。自分を振り返ると、親に「勉強しろ!」なんて言われた記憶がありません(笑)。

以前子供を二人持つ母親の方から聞いたのですが、最初の子供が生まれた時は毎日何枚も写真を撮って、成長過程を残す気満々だったが、二人目が生まれた途端、面倒で写真も大して撮らなくなった、なんて話をしていました。親だって人間ですから、そういう気持ちの変化は確かにあるのだと思います。

また、今回の研究では兄弟の年齢差についても言及しています。研究者によれば、最低4年ほど兄弟の年齢が離れていると、それぞれの子供が高い成績に到達する確率が上がり、年が離れれば離れるほどこの傾向が強くなるそうです。逆に兄弟の年齢が近いと、高校をドロップアウトする確率が上がったそうです。年齢が近いと親の影響より兄弟同士の影響が強くなったりするのでしょうか。

この研究は、The British Household Panel Surveyのデータが元になっており、毎年イギリスの5000世帯以上を対象に行う調査だそうです。この研究者もあくまでイギリスにおける傾向であると言っていますが、長子の学力が高いというのは、ノルウェー、フィンランド、オランダで過去に行われた研究でも同様の結果が出ているそうです。

高い意欲と学習成果についての説明には、いくつかの可能性が考えられます。単純に親が時間やエネルギーを長子に一番注いでいるのかもしれないし、長子が(何らかの理由で)実際に頭が良いのかもしれない。(断定することは出来ないが)私自身は親の投資が左右しているのだと思う。

それ以外の要素、例えば兄弟の性別構成や人数などについては大きな差が見られず、結果への影響はなかったそうです。そうだとすると、無意識にせよ、親の手のかけ方の違いが影響しているのかもしれません。

それはさておき、この記事を読んでいて「生きてるだけで丸儲け」という某芸能人さんの言葉を思い出しました。筆者(末っ子)の意欲レベルを非常に良く現した名言かと。

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