雑談

性的暴力は許されないが女性側にも問題!?

サンバの国ブラジルから、ちょっと衝撃的な調査結果のニュースが届きました。

ブラジルの政府系調査機関が実施した世論調査で、回答者の過半数が「性的暴力は許されないが、女性の側にも問題がある」と考えていることがわかったそうです。

ブラジルの調査機関Institute of Applied Economic Research (IPEA)が、2013年5月~6月に男女3,810人(うち66.5%が女性)にインタビューを実施した。
その結果、調査に回答した人の約65パーセントが、体を露出するような服を着ている女性がレイプ被害にある事は正当化されうる、という意見に賛成した。また、約58パーセントの回答者が、女性が適切な振る舞い方をすれば、レイプの数は少なくなる、と回答した。

んー、我々日本人の感覚からするとさすがに有りえない意見ですよね。ココで注目して頂きたいのが、全回答者のうち66.5%が女性である、という点です。上記の回答における男女の割合が公表されていないようなので、正確なところはわかりませんが、女性でも一定の割合で前述のような考え方を持っているとすると、ちょっと驚きです。

仮に女性自身が、ある意味女性の権利を制限するような考え方を持っているとすると、一体どういう背景があるのでしょうか。

女性は結婚後も自由な外出を制限されるなど厳しい統制が続いた。家父長は女奴隷との性的交渉を妻に憚ることなく行い、多くの混血の私生児が生まれた。ブラジルにおいては人種間の対立は、支配層をも含めた白人がアフリカ伝来の宗教や料理、音楽、舞踊を好んで受け入れたこともあり、緩和される傾向にあったが、白人優位の人種主義は存在し、総じて被支配者となった有色人や女性の生活は貧しく、特に有色人には厳しい奴隷労働が課さることになった。この状態から発したブラジル社会における有色人や女性の地位の低さは現在にまで続く問題となってブラジル社会に爪痕を残している。 – wikipedia ブラジルの歴史-

上記で語られているのは17世紀頃の話なので、さすがに遠い昔の事に思えますが、ある種の影響は依然として存在するのかもしれません。

また、ブラジルは世界で最も多くのカトリック人口を擁する国であり、例えば避妊、中絶、同性愛と言った事に対して依然反対する人が多く、女性の権利や在りようについて非常に”保守的”な考え方が一般的であるとも考えられますね。

今回の調査に回答した人達も、決してレイプという犯罪を容認しているわけではなく、「自身の振る舞いを律する」という点において女性側の姿勢を指摘した、というところが本音なんだと思います。

一方で、今回の調査結果の報道を受けて多くのブラジル人が抗議活動を行っているそうで、ブラジル全体がこのように考えている、と結論付けるのは間違いかと思います。

それにしても、つくづく日本とは文化も習慣も違う国なんだなぁと思いました。
どうやったらこのような文化が形成されるのでしょうか。興味深過ぎます・・・。

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