Tableau

Tableauで折れ線グラフの背景をストライプ状にする方法

こんにちは。新米分析官のA.K.です。今回は、Tableauで複数枚の折れ線グラフに対して背景をストライプ状に表示させることで、視覚的にグラフ間での比較をしやすくするTipsを紹介しようと思います。この方法を使うことによって、ダッシュボードのレベルがグッと上がるので、是非試して見てください。下記画像が完成イメージです。

折れ線グラフの作成

今回は、「サンプルスーパーストア」のデータを使用します。時系列ごとの売上と利益のグラフを作成してみます。Tableau Desktopを開いたら、「サンプルスーパーストア」のデータソースに接続してください。

時系列ごとの売上を折れ線グラフにするために、[列]に[オーダー日]を連続・月粒度で加えます。次に、[行]に[売上]を合計で加えます。下記画像のような折れ線グラフが作成できるかと思います。

同様の手順で、時系列ごとの利益のグラフを作成します。

背景にストライプを付ける

次に背景にストライプを付けていくために、計算フィールドを2つ用意します。

//オーダー日_年単位のビン
DATEPART('year', [オーダー日])
//オーダー日_二値判定
IF [オーダー日_1カ月ごとのビン] % 2 = 0
THEN 1
ELSE 0
END

ここで作成した[オーダー日_年単位のビン]の単位はストライプの幅に該当します。単位を変更することでストライプの頻度を変更することができます。

作成した計算フィールドを配置していきましょう。先ほど作成した売上の折れ線グラフの[行]に[オーダー日_二値判定]を最大値で加えます。[オーダー日_二値判定]のピルを右クリックして、「簡易表計算」>「合計に対する割合」を選択します。ビュー内の[オーダー日_二値判定]の軸を右クリックして、「軸の編集」>「固定」> 開始値=0,終了値=1に設定します。

次に、グラフを設定していきます。マークシェルフから先ほど追加した[オーダー日_二値判定]のグラフを「棒グラフ」に設定します。棒グラフの見た目を変更するために、マークシェルフの「色」>「グレー」を選択して、不透明度を「30%」、枠線を「なし」にします。

最後に、[行]の[オーダー日_二値判定]のピルを右クリックして、「二重軸」を選択したのち、再度[オーダー日_二値判定]を右クリックして「ヘッダーの表示」をオフにします。(棒グラフが前面に来てしまう場合は、ビュー内の軸を右クリックして、「マークを前面に移動」から重なる順番を変更することができます。)

折れ線グラフに背景ストライプが入った図が完成しました。時系列ごとの利益のグラフにも同様の手順を行うことで、背景ストライプの入った折れ線グラフが再現できます。

解説・補足

今回は折れ線グラフに棒グラフを重ねることで、折れ線グラフに背景ストライプが描画されている(ように見える)グラフを作成しました。1枚のワークシート上だと背景ストライプのメリットはあまり感じられないかと思いますが、複数枚の折れ線グラフがダッシュボード上に並んだ際に効果を発揮します。左右間や斜めの位置にある折れ線グラフを比較したい時、背景ストライプが補助線の役割を果たしてくれるため、同じ位置に該当する値が比較しやすくなります。こういったちょっとした気遣いがダッシュボードとしてのレベルを高くすると思います。

「ストライプなし」の場合、横軸の2022年から上に視線を動かして、該当する売上・利益を参照する必要があるが、「ストライプあり」の場合、ストライプに沿った箇所をダイレクトに参照することで該当する売上・利益を見ることができる。

また、Tableauに普段から触り慣れている方はお気づきかと思いますが、実はこんな回りくどいやり方をしなくてもリファレンスラインの機能を使用することで同じようなグラフを再現することは可能です。しかし、リファレンスラインを使用したやり方には明確な欠点があります。それは、”データ更新時に毎回設定をしなければいけない”ということです。例えば、今回使用したサンプルスーパーストアのデータでは2022年12月までのデータしか入っていませんが、後々データが増えてゆき、2024年のデータが増えた場合には再度リファレンスラインを設定する必要が出てきます。一方、今回のやり方は計算フィールドを基に背景ストライプの描画幅が計算されているため、条件に一致するデータには必ずストライプを描画することができます。

最後に

いかがでしたでしょうか。今回ご紹介したやり方は、あまり難しい計算や手法を使用しているわけではなく、基本的な技術を応用したやり方になります。Tableauは工夫次第でまだまだたくさんの表現方法ができるかと思います。これからも面白い使い方があればどんどんご紹介していきたいと思います。

A.K.
新米分析官。趣味は、釣り・サウナ。