はじめに
執筆時点で4,5年程、プロジェクトリーダーやディレクターの経験をしてきました。
規模は小さいチームで2,3名、大きいチームでは10名程度。
今回は、経験をもとに私なりに考える
– プロジェクトリーダー/ディレクターの役割について
– 心がけていること
を前編/後編に分けて紹介しようと思います。
プロジェクトリーダーとディレクターは厳密には異なるかもしれませんが、
今回は「チームをまとめる」というレベルで同じ立ち位置として記します。
※いろいろな考えがあると思いますが、あくまで持論ですので、「こういう考えもあるんだな~」
と受け止めていただき、考えるきっかけとなれば幸いです。
結論
プロジェクトリーダー/ディレクター(以降はまとめて「指揮者」と表記)の役割とは
QCDを考慮しつつ、同じゴールに向かって作業しやすい環境を作ること
ゴールはもちろん大切ですが、個人的にはチームの認識合わせと環境づくりをメインと考えています。
具体的に
例として「鉄道の線路を作るプロジェクト」があったとします。
ゴール
線路を作ればOKなのかというとそうではありません。
まずはどこに向かって線路を作るのか?というゴールの設定と認識が必要です。
これがクライアントの要望と反すると、成果が出ないわけです。
違う駅に向かって線路を作っても、誰が喜ぶの?ってことですね笑
つまり”何がゴールか“という目指すべき所を理解することはプロジェクトにおいて非常に重要です。
当たり前すぎるかもしれませんが、意外と同じ認識を持つって難しいことだったりします。
よって指揮者は、メンバーがゴールを正確に認識してもらえるよう取り組むことが大切です。
タスクとスケジュール
次にゴールを踏まえて、QCDを検討します。
それぞれ3つの関係を捉えつつ、ゴール到達に向けて何をどれくらい優先して作業するのか考えていきます。
Q(Quality):品質を保つ
ex. 線路を敷く前の土地の整備、適した材料の調達、正確な設計
C(Cost):必要以上の費用・時間をかけない
ex. 目的地へ最短距離で線路を敷く(迂回させると材料費、作業費が余計にかかる)
D(Delivery):期日内の納品
ex. 期限までに線路を完成し、電車が走れるようにする
これらが決まってくると、誰がどのタイミングでいつまでに何をしなければいけないのか、
つまりタスクとスケジュールが明確になってきます。
もちろんプロジェクトの状態を見ながら、適宜修正は必要です。
プロジェクトは複数人でチームを組むケースがほとんどなので、
誰が何をどのタイミングでやるのかを各自把握しておくことも重要になってきます。
(ex. 資材を集める人、土地を整備する人、線路を設計する人、線路を構築する人 がどう動くのか)
ゴールのみならず、ここも指揮者がフォローする範囲です。
+αとして指揮者が作業しやすい環境を作ることでメンバーがより一層力を発揮しやすくなると思います。
これが+αの環境づくりこそが一番大切だと思う所以です。
やることがわかっていても、やる気がなければ進まない、作業しづらいと進捗が悪い。
結果としてスケジュール通りにゴールに到達することが難しくなります。
線路の設計士が設計をしてくれなければ、いくら他の作業員の熱意が高く、優秀であってもプロジェクト自体は進みません。モチベーションが低い人が1人いると、悲しくも波及していきます。
負のスパイラル……!!(T_T)
こんな状態を避けるために、1人でも多くのメンバーが(全員はほぼ困難ですが)やる気を保ちつつ、
少しでもやりやすく作業できる環境を整えるのが指揮者の存在意義だと思います。
まとめ
改めて……プロジェクトリーダー/ディレクターの役割とは、メンバー全員が
同じゴールに向かって作業しやすい環境を作ること!
指揮者が意識すべきなのは、
「メンバーが、ゴール, タスク, スケジュールを正しく把握できているかどうか」。
指揮者だけが理解していても全く意味がないわけです。
メンバーがいてこそ、プロジェクトが成り立つ。だからメンバーのために作業しやすい環境を作る。
冒頭で記載の通り、私としてはこの認識合わせと環境づくりこそが指揮者の使命だと思っています。
そして、ここにいかに時間をかけるかでプロジェクト全体の士気は変わり、極論プロジェクトがうまく終結するか決まってくると思っています。
作業をするにしても疲弊しながらするより、なるべく心身ともに負荷なく、そして有意義に楽しくできるに越したことはない!(そりゃそう)
では、「作業しやすい環境づくり」ってどうするの?
ってことでこれを後編で紹介していきます。