デザイン

ラフタッチとは?生き生きとした躍動感にはこれ!

みなさん!こちらの絵を見てください。どちらの林檎を食べてみたいですか?

おそらくAを選ぶ人が多いのではないかと思います。
なぜわかったのか?それは、Bが一本線で描かれているのに対して、Aは「ラフなタッチ」で描かれた林檎だからです!

はて?ラフだと何か違いがあるのか?とお思いのそこのあなた!
では、ラフなタッチとは何かから、それが向いている人、メリットなども含めて解説します!

ラフなタッチとは?

こんな感じで荒っぽさの残るタッチです。こんなに粗かったらよくないのでは?と思うかもしれませんが、実はこの描き方はデッサンの描き方に近いものになっています。デッサンもいくつも線を重ねて形を作ります。その手法をイラストに適した形で取り込んだのが、このタッチと言えるでしょう。

この絵柄が向いている人

・短時間で描き上げる人

・勢いで描く人

・絵柄が濃い人

この絵柄の特徴

メリット

躍動感が引き出される

線が多ければ多いほど絵に躍動感が宿ります。
うまく使いこなせれば生き生きとして見えますし、使いようによってはスピードの表現もよくなじむのがこの画風です。

メリハリを出しやすい

線を重ねると必然的に絵面が濃くなります。
もとから絵柄が濃い人の場合、絵柄の長所が増強されるのでおすすめです。

完成度が高く見える

この現象が起きる理由は人間の脳が優秀だからです。
線が多いことは一見邪魔なようにも見えます。しかし、私たちの脳内ではそれらノイズの間をかいくぐり、無意識のうちに最適な線を見つけ出します。
文字通り脳内補正と呼ばれるやつです。一種の錯覚ともいえるでしょう。
結果、この原理を活用すれば、完成度を高く見せられるというわけです。

初めの林檎の図をもう一度見てみましょう。Aは重なった線によってエネルギッシュさを強調させるとともに、数ある線を取捨選択するので脳内できれいな曲線に見えます。Bは一見綺麗なのですが、Aと比べると物寂しい雰囲気であり、一本線ゆえに線も見たままに受け取ってしまうのでちょっとした歪みもそのまま伝わり、しっくりこない気分になります。

早く書き終わる

ラフな絵は清書でも線をひたすら線を重ねるため、いちいち線をこまごまと精査する過程が省かれます。人によっては清書すら省いてそのまま完成する場合もあります。
そのため単純に完成させるまでの時間が縮みます。忙しい人にはうってつけの描き方です。

例えば、同じ絵でもデッサンでは線一本で形をとらえずに何重にも太く重ねて形を作るものですし、ペン画のように重なりに重なった線も躍動感がありとても魅力的ですよね。世の中にはそういう絵柄もあります。それらは粗く見えますか?おそらく見えないでしょう。

デメリット

散らかりがち

当たり前ではあるのですが、線を重ねる以上重ねすぎたり余分な線が多すぎるとそれは「味のある絵」ではなく単なる「汚れ」に見えてしまいます。
消すより描く技法ではありますが、本当に邪魔な線は消しましょう。

柔らかさが薄まる

上では絵柄の濃い人には向くといいましたが、逆に柔らかい作風にはあまり向きません。パステルカラーに合わせるのは難しいです。線の印象だけが浮いてしまいます。
この柔らかさを残すには独自に絵柄を発展させる必要があるでしょう。

 

いかがでしたか?
きれいな線だといまいち迫力が出ない時や、力強い絵面が欲しい時などにぜひチャレンジしてみてください!

NH
購読料無料です