ビッグデータ活用の重要性はわかっていても、それを効率的に利用することは容易ではありません。データの量が膨大で、処理に時間を費やしてしまったり、どのデータが使用できて、どれがあまり意味のないものなのかを判別したり。データを活用しようと思うと、それなりに課題も出てきます。
大量のデータを扱える技術として、Hadoopは今最も利用されているソフトウェアフレームワークでしょう。HadoopはApacheソフトウェア財団のオープンソースプロジェクトであり、誰でも無料でダウンロードし、利用出来るものですが、自社内にそのためのリソースがなく、外部のベンダーからパッケージ化された商品を導入する企業も多いはずです。
今回は、アメリカのマーケティングリサーチ会社Forrester社がまとめた、Hadoopソリューションを提供する大手ベンダーに関する評価レポートをご紹介します。
今回レポートの中で評価対象となったHadoopベンダCloudera Enterpriseーは、以下の9社です。
・Amazon Web service
・Cloudera
・Hortonworks
・IBM
・MapR Technologies
・Pivotal Software
・Teradata
・Intel
・Microsoft
※その他ベンダー企業のリストは以下に掲載されています。ご参考までにどうぞ。
レポートでは、上記9社を以下の軸で評価しています。
■評価のポイントの例
- ソリューションのアーキテクチャ
作業の最適化やその機能、データ処理機能、セットアップ、マネージメント、モニターツール、兌換性やコミュニティ機能など - 戦略
現状のクライアントの需要に答えるため、どう計画を立て、自社の開発とのギャップをうめているか、業務実行能力、ロードマップ(工程表)、カスタマーサポート能力など - 市場での存在感
財務状況、グローバル市場での存在感や現在稼働中の台数、他ソフトウェベンダーとの戦略的なパートナーシップなど
上記のポイントを軸に評価した図が以下です。

各企業のHadoopソリューションサービスに対する評価とそのコメントを紹介します。

今回のレポートではMapR Technologiesが最も高い評価を受けていました。しかし、レポートでは以下のような傾向も指摘されています。
- 卓越したパフォーマンスをする企業はあるが、”独占”するほどではない
- IntelとMicrosoftは若干出遅れているものの、優れたロードマップを持っており、今後他のどのベンダーよりも強力なソリューションになり得る
したがって、現在の評価が数年後にガラッと変化しているなんてことも十分考えられる、ということですね。
今回の評価レポートでは、各ベンダー企業のクライアントが、少なくとも2社ずつアンケートに回答しており、その結果も評価の基準として採用されています。実際に各ソリューションを利用しているクライアントの意見や評価が反映されていることは、この評価レポートの信頼性をより高いものとしています。