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ドイツ産ジョーク集888「おとなの童話」

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おとなの童話

ある奥さんが野いちご摘みに森に入っていくと、どこからか声がする。見ると、カエルが草の根にからまってもがきながら呼んでいたのだ。

「私を助けてくだされば3つの願いを叶えましょう」

彼女は根を取り除き、カエルは自由になった。

「やあ、ほんとにありがとう。ところでひとつ言い忘れたが、願いが叶うのには条件があるのです。3つの願いはご主人にも有効で、しかも彼には倍の力が与えられるのです」

「結構よ」と婦人は答えて願いを言った。

「第1の願いは世界一の美人になること」

「忘れないでくださいね。ご主人は最高にハンサムになり、女達がつきまといますよ」

「かまわないわ。私が世界一の美人なんだから彼は他の女に見向きもしないでしょう」
その瞬間、彼女は絶世の美人になった。

「2番目の願いは世界一の金持ち」

「そうなればご主人はあなたの倍も金持ちになるが、いいですか?」

「もちろん。私のものは彼のもの、彼のものは私のものですもの」

とたんに彼女は莫大な財産を持つことになった。そしてカエルに最後の願いを聞かれてこう言った。

「私に軽い心臓発作を与えてください」

お国柄や時代を映す貴重な資料でもあるジョーク。
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(著者について)
田中紀久子(タナカキクコ)
1940年生まれ、横浜市出身。
横浜双葉学園・玉川学園・フェリス女子大を経てドイツ・ゲッティンゲン大学神学科で中世史を専攻のあと、玉川学園にて32年間ドイツ語講師。その間、国際医学会を始め、スポーツ、音楽、演劇などの講演、公演のドイツ語通訳に従事する。

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