ETHNOGRAPHY
コダワリの主婦-バランスの良い選択・消費活動とは?
現代生活図鑑ROOMS
Room No. 001:コダワリの主婦(40代 女性 一般世帯)
総務省が2013 年8 月28 日に発表した2013 年3 月末時点の住民基本台帳に基づく日本人の人口は1 億2639 万3679 人。前年より26 万6004 人減っており人口減は4 年連続で、減少幅は1968 年の調査開始以降最大となった。
日本全国の市区町村1700 超を人口順に並べると、26 万人という数字は102 位に入る。
これは神奈川県平塚市や東京都墨田区、長崎県佐世保市、東京都府中市の人口に匹敵する。
また日本で一番人口が少ない鳥取県の人口は約58 万人。
約2 年と少しで鳥取県分の人口が日本からいなくなる計算だ。
一方で大幅に人口を増やしている地域もある。
2010 年国勢調査において、2005 年からの5年間に市区町村別で最も人口が増加したのは神奈川県横浜市。
その数、5 年間で約11 万人増。10 年間で見ると約26 万人も増えている。
今回取材を行ったのは、そんな人口増加が著しい横浜市の青葉区に住む主婦。
全国消費実態調査(平成21 年:2 人以上の世帯)の年間世帯収入によると、全国平均5,532千円、神奈川県6,072 千円の中、横浜市青葉区は8,196 千円と世帯収入が高いエリアであることが分かる。
家族構成は、会社経営者のご主人、県外の高校にサッカー留学をしている長男、中学生の長女、小学生の次女。
1 日の中でキッチンに立つ時間が一番長いという彼女は、強いこだわりをもってキッチンを中心にリフォームを行い、家族のことを考え、生活をしている姿が垣間見れる。

家族という共同体の中で、そして様々な制約条件の中で、本人の嗜好と家族の住みやすさとをバランスよく現実の形にしており、不満点も多々あるが、総じて満足度の高い環境を実現していると思われる。

改装して広々としたキッチン。1 日の中で一番長時間いる場所だそう。
食事はこのカウンターで召し上がるのですか?
最近は子供達が朝ごはんの時にカウンターで食べることが多いですね。テレビを見たい時や夕飯はみんなリビングのテーブルを使っています。ダイニングテーブルは本当に使わないです。唯一、旦那さんが朝ごはんの時に使うくらいです。基本、みんな床に座りたがるので。
ダイニングテーブルには椅子もあってキレイに片付いているのに、ここで召し上がらないのはどうしてですか?
テレビを観たいというのもあるとは思うんですが、みんな床に座るのが好きで。
そうすると、ご自身で作った料理はキッチンからリビングのテーブルにどんどん運んで行くということでしょうか?
作ったらまずカウンターに置きますね。犬がいるというのもあって、食べますよ、というタイミングまでカウンターに置いておきます。
カウンターはキレイに片付けておかないと作業しづらいので、洗い物など必ず全て片付けてからカウンターを使っています。

キッチンの手前にあるダイニングテーブル。
使いやすそうだが家族はあまり利用しない。
キッチンを使っていて、ご自身の気に入っている点や、逆に気に入らない点は何かありますか?
キッチンはリフォームしたんですね。もう10 数年前の事ですが。元々キッチンは壁で仕切られていていたんです。使いやすさを考えて、壁を取り払ったのと、こういうカウンターがどうしても欲しくて作ったので、割と気に入って使っています。
このカウンターが欲しかったというのは、どのような理由からですか?
私、1 日の中でキッチンに立っている時間が結構長いんです。なので、ここに壁があると閉鎖的な印象があるので、必ずオープンなキッチンにしたかった。カウンターというよりもオープンにしたかった感じです。
では、こういう白い色とかは自分のイメージ通りですか?
作った当時と今の趣味は少しずつ変わってきているんですけども(笑)。でも、今もまぁまぁ気に入っています。
一日の中で過ごされる場所としてはキッチンが比較的多い?
多いです。すごく多いです。パートに行くとか、買い物に出かけるとか以外の時間はここにいることが多いです。
夕食作りながらお酒飲んだりとか。
はい(笑)。もう、飲みながら作って。キッチンに椅子もありますけど、ゆっくり座ることはあまり無いです。私一回座っちゃうと、動かないんで(笑)。やることを全部やってから、となるとキッチンにいる時間が長くなる。ここに座ってあちこちに動くことも出来るけど、一度座っちゃうと億劫になってしまうので。とにかく常にキッチンにいますね。
あと、食洗機がないので、洗い物に時間がかかるので。みんなが家にいるととにかく洗い物が出てくるというのもあって。
いますね、ここに(笑)
よく料理をされているようですけども、何か調理器具の中ですごく気に入っているものはありますか?
ルクルーゼが大好きです。
そうですよね、ルクルーゼがありますよね。

自慢のルクルーゼコレクションの一部。
これらはいつ頃から使っているんですか?
一番古いのは、もう10 年以上ですかね。
結構前からですね。どういった料理のときに使われることが多いですか?
やっぱりカレーやシチューとか、煮込み系のものとか。豚汁とか。ブラウンのものを買ってからは、和食の時にも登場するようになりました。昨日はオレンジの大きいものでラタトゥイユを作りました。そういった量の多いものを作るときはよく使いますね。
和食も洋食も作られるんですか?
普通のものですけど、作りますね。和食は少ないですね。
ちなみに調味料ってどのくらいお持ちですか?
調味料は色々ありますね。あと、今は夏場なので、醤油などは冷蔵庫にありますね。

シンク下のスペースにある調味料。
さすが主婦。スパイスの種類も豊富。(上)よく使う砂糖や塩は袋入りを購入して瓶に入れ替えている。
このケースに入っているのは何ですか?
これはよく使うものでお砂糖と片栗粉とお塩と。袋入りのものを買ってきて瓶に入れて使っています。
冷蔵庫の中も少し見せてもらってもよいですか?
わーお。大丈夫かな。結構きついな(笑)

育ち盛りのお子さんが二人いるだけあって、冷蔵庫も大きい。
ここはオーブンですか?
いや、お鍋ですね。
結構あるんですね。
ありますね。フライパンとか。ルクルーゼは絵になるというか、置いておいてもいいものですけど、後は全部ここに入っていますね。

ご本人のコダワリが詰まったシンク周り。真鍮の蛇口がおしゃれ。
本当にキッチンはキレイに使ってらっしゃいますよね。この蛇口の感じも普通とちょっと違いますよね。
そう。でもね、これがいよいよ水漏れしてしまって。最初にここをリフォームした時に設置したものが劣化してきてしまって。国産じゃないので同じものが無くて困っています。
国産の、例えば INAX のものであれば形が違っても、同じように取り付けられるらしいんですけど。次に水漏れしたらどうしよう、というくらい今ピンチなんです。作った時はよかったんですけど、やっぱりこれだとタイルに穴もあいちゃっているので。間口が少し変わるだけで困るみたいで。今考えないようにしているんですけど、ほんとにピンチです。
水漏れというのはどの辺りから?
蛇口のつなぎ目の辺から。中が真鍮なので、錆びてきてしまっているみたいで。緩んでいるのか、少しカタカタするんですよね。磨きたいんですが、今やると壊れそうで怖いので放っているんですけど。こういう所がもうダメみたいです。この前、リフォーム関連の業者さんにたまたま見ていただいたら、その方が言っていました。
この水道の、この感じもリフォームのときにご自身で選ばれたんですか?
はい。自分で選びました。

確かに格好いいがメンテナンスは大変そう。
これは、何かリクエストをする際にイメージされていた場所とかあるんですか?例えばご友人の家でこういう蛇口があったとか、あるいはホテルで見かけたとか。
参考にしている雑誌から全部切り抜いてリフォーム会社の人に見せて、こんなイメージのものをと探してもらいました。そうするといくつか情報をくださったので、その中から予算やイメージで選びました。
ちなみに、その時に参考にされた雑誌はどんなものですか?
「私のカントリー」っていう主婦と生活社から出ていた雑誌で、当時は大好きだったんですよ。今はもうちょっとアンティークっぽい感じが好きなんですけど、当時はカントリー調のものがすごく好きで。それで、キッチンの位置はこのままだったんですけど、パイン材だけを付け替えてもらったり、白いつまみやホーローだったり、「私のカントリー」の何年分かから切り抜いてスクラップしたものを業者さんに見せて、こういう感じにしたいんです、と伝えました。
ちなみに、こういう蛇口ですとか、こういったホーローのシンクですとか、それ以外にもキッチンでこだわってリフォームされた点ってございますか?
パイン材とか、あとタイルですね。このタイルをやってくれる業者さんが中々見つからなくて。実はこれ3 軒目くらいでやっと見つかったんです。メンテナンスが大変だから、「や・め・と・き・な・さ・い!」とさんざん言われたんです。絶対止めなさい!って。ステンレスの普通のもののほうがいいって。当時は10何年前なので、今は色々と選択肢があるのかもしれないですけど。止めておいた方がいいってすごく反対されて。それで3 軒目くらいですね、やってくださったのが。

タイルとパイン材の組み合わせから、この空間の居心地の良さが伝わってくる。
他2 軒断られたんですね。
私のイメージがうまく伝わらなかったというのもあるんですけど。私のイメージは全部タイルにしたかったんですけど、タイルはやめといたほうがいい、ということから中々私のイメージに近づけたものにしていただけなかったですね。
タイルにしたかったのは?
写真からのイメージだったのだと思います。
雑誌にあったような?
そう。好きな切り抜きを集めたら、結果的にどれもこういう感じだったんだと思います。

リビングもカントリー?なイメージ。ガッシリとしたセンターテーブルが格好良い。
リフォームするときに手入れするのが大変だよと言われて、実際にやってみて手入れで大変な所はありますか?
実はあまり手入れしていなくて。少しはやっていますけど、そんなにやってないですね。
もっとやればキレイなのかもしれないですけど。やっていないので大変だなと思っていないですね。不衛生な感じにも思っていないです。
ソファは一つだけちょっと違いますけど、これも同じときに?
時期はそうですね、同じ時です。2 年前まで私静岡の方に行っていたので、戻ってくるときに買いましたね。
一つだけ違うというのは何か意味が?
はい。別の色を、と思って買いました。どういう組み合わせにしろ、ブラウンと白にしようと思っていました。前回も同じような形のものがあって、コの字型とか考えたんですけど、コの字型とダイニングテーブルがかぶっちゃうというのがあって、結構あれこれ考えたんですね。でも、これは70 点くらいで(笑)いずれにしろ、色はこの辺の色で考えていました。
リビングテーブルもその時に一緒にお買いになった?
これを買ったのは最近なんです。冬はこたつを置いています。
このリビングテーブルは何か購入の決め手になったとか、気に入った点とかはありますか?
リビングテーブルはずっと探していて。元々ダイニングテーブルとテレビ台と同じような材質のこたつがここにあったんですね。こたつは今夏なので置いていないですが。その3つが同じような材質で揃っていることが何か嫌で。材質の違うものを探したいとと何ヶ月も考えていて。そこにたまたま知り合いの大工さんが安く作ってくださることになって。
じゃ、これはオーダーメイドで?
オーダーメイドというわけではないですが、余り木に板を載せただけなんですが。このザラッとした質感だけコダワリました。ダイニングテーブルは表面がツルッとした質感ですよね。本当はダイニングテーブルもリビングテーブルのような質感にしたかったんですけど、そうすると食事の時なんかに水滴が付いて汚くなるかなと思って、あえてダイニングテーブルはツルッとした感じのものにしたんですね。でも本当はこういう無垢な感じのオイルを塗っていない感じのものにしたかった。
でも、実際はリビングで食事する事がほとんどなので、「敷いて食べて!」みたいな(笑)
そうですね、こっちのほうがザラッとしているんですね。
ちょっとこう傷のつき易そうな。ちょっと温もりのあるような感じですよね。ダイニングテーブルの方が機能的な感じですよね。常にみんながリビングテーブルで何かを書いたり、食事をしたりしているので、つなぎ目がなく平らなものが欲しくて。なので一枚板で、温もりのあるのを、って。それだけを言って作っていただいたんです。
今、書くものというお話が出ましたけど、次女の方のお勉強を見る際にはこちらで?
勉強は彼女の部屋か、キッチンのカウンターでやっていますね。私に時間がある時はリビングに座ってやるんだけど、夕食を作る時間と彼女が勉強する時間が必ず一緒になるんですね。なので、行ったり来たりするのが大変なので、キッチンに来てもらって、下敷きを敷いてカウンターでやってもらっています。
朝と夕方、私がキッチンに立っている時間が一番忙しくって。やることが同時にいろいろあるし、みんながいる時間帯なんですよね。
今は昼間に先にご飯を作っておく事はしないので、そういう意味でもカウンターにいる時間が長いという感じなんですよね。
エアコンのことなんですけども、あまり涼しくならないというか。(笑)
これはもう15・6 年前くらいに買って、引越し3 回くらいしているようなエアコンで。一番最初に私たちが買ったエアコンなんです。
もう随分長いんですね。
そうなんですよ。大阪からあちこち移動してここにきたものです。
買い替えは考えていないのですか?
電気代も違うんだろうなと思っているのだけど、夏しか使わないので。冬は使わないんですよ。なので、買い替えも考えてはいるんですが、そう言っているうちにいつも夏が終わって、今年も終わったね、また来年ね、って。
昼間は出掛けているからあまり使わないですし、不便だなぁというのはあるんですけどそのまま月日が経ってしまったという。
冬に使わないというのは、暖房は無し?
コタツとガスファンヒーターがあるので。あと灯油のストーブもあります。デロンギのオイルヒーターも買いました。でもここ暖かいんですよ。西日も入るし、マンションというのもあって。でも結局灯油の大きいものを買いましたけど。でも、結局コタツなんです。
みんなリビングに座るんで。コタツ大好きで
す。

(上)長い付き合いのエアコン。 (下)リビングの出窓も雰囲気が良い。
冬の間はみんなコタツに集まって。
リビングに集まるのは夏もですけど(笑)

洗面台もキッチンと同じテイストでリフォームされている。大きな鏡がおしゃれ。
こんな感じにシンクが汚くなっちゃって。
汚れが取れないんです。最初は良かったんですけど。
蛇口のメンテナンスが大変ということですが、磨いても錆びてしまうということですか?
そうです。私が3 年間静岡に行っている間に放ったらかした、というのもあるんですけど。
一応真鍮磨きというのを買ってやってはみたんですけど、私のやり方が上手じゃないのか、あまりキレイにならないんですよね。もう、少しあきらめています(笑)
洗面台の雰囲気はキッチンと揃えているように見えるんですが、一緒に?
キッチンを最初にリフォームしたときは、パイン材の板にしてもらったんですね。でも、カビが酷くて。それこそタオルとか濡れたままここに置いておくと、黒カビが生えちゃって。
それで、2 年前くらいにパイン材の上からタイルを貼ってもらったんです。ところが最初はいいと思ったんですけど、キッチン以上に汚れるというか、水カビみたいなものが出てしまって。
割と湿気は感じますか?
感じます。窓が無いので。ここに関しては嫌ですね。どうしようもないけど不満ですね。
逆に気に入っている点というのは何かありますか?
イメージはやっぱり洗面所にもあって、シンクのボールだとか。あと、ここ実は築30 年の古い団地なんですね。なので、このボールの形とかも、いまでこそこの形ですけどサイズが小さいわけなんですよ。それを、サイズから替えるとすると排水から何から全部替えなければならないらしくって。全然違った工事になっちゃうみたいで。結局、あくまで上モノを付け替えただけの工事なんでサイズは小さいんですよね。
キッチンと同じく、イメージだけでも自分の理想に近づけたかった、という感じです。
鏡も元々着いていたものにフレームを付けるとかそれぐらいですかね。折角大きな鏡があったので、いかにも、という感じの洗面台を持ってくるのはもったいないかなと思って。あるものを活かしたような感じです。でも、洗面
所は今からでももう少し何とかしたい、何とかしたいと思っています(笑)
何とかしたいというのは、湿気ですか?
湿気もそうだし、デザインもそうだし、今はまだ自分の中のイメージが定まっていないんですけど、いずれイメージとお金ができたら、何とかしたいと思っています。
こちらテレビが付いているんですね。
はい。

お風呂のテレビ。ご主人はちょっと不満そう。
これはいつぐらいに?
これは2 年くらい前ですね。子供達がテレビ、テレビってずっと言っていて。配線も娘達の部屋から天井を伝って繋いでいるんですよ。
後はもう、お風呂場自体が狭いのが不満で。
湯船に入るとテレビが見えない、とご主人が話されていましたね。
そうそう。位置がどうのと言っていましたね。
近すぎるんでしょうか?
たぶんそうだと思います。それと位置がちょっと高すぎる。そもそもテレビが入るようなスペースのお風呂じゃないんです。
テレビがあるということは、皆さん結構長い時間お風呂に入っていますか?
いや。意外にそんなこともないですね。次女はテレビの為にずっと入っていますけど。テレビを付けたいってずっと言っていて。
ご自身でお風呂場を使っていて、湿気以外に何か不満に思われる所はありますか?
鏡がキレイになる洗剤が欲しいです。あれは何買って来てもダメですね。ホントにダメですね。あのスポンジがいいとか、あの洗剤がいいとか、曇り止めしておけばいいとか、色々とやったけど。これでも朝洗剤を付けて擦ったんですけど、やはりダメですね。それがすごく嫌です。湿気とか狭さとかどうしようも無いですよね。

二人の娘さんの部屋。2 段ベッドに横並びの机が微笑ましい。
ここは二人部屋ですか?
そうですね。
何か、ここがこうなったらいいな、というところはありますか?
妹が片付けてくれたらいいですね(笑)。次女は今日学校の行事で泊まりに行っているからこんなものですけど、いつもすごいことになっているんです。
独り部屋が欲しい?そんなことは聞いてない?
言われています(笑)

玄関を明るくするためにガラスを入れたキッチン横の扉。
玄関は狭くないですよね。
狭くはないですね。でも暗くて。それが嫌ですね。そう思って、リビングの入り口のドアをガラスにしたんです。日が少しでも入るかな、と思って。でもあまり意味がなかった(笑)
。玄関の暗さとお風呂の狭さは団地だから仕方がないかなと思ってます。キッチン側の壁も、少しでも明るくなるかなと思って開けたんです。明るくなると思って飾り窓にしたんですけど、あまり効果がなかったかな。

広々とした玄関。ベンチもおしゃれ。

雑誌から気になるページをコレクション。
こういうマメさがイメージ通りの部屋を作るのだろう。
そうするとここの窓も一緒にリフォームしたんですか?
一緒にしました。リフォームの時に全てのドアを替えたんですが、ここだけは敢えてガラスのドアにしました。
これだけでも随分印象は明るくなりますよね。
なりますか?私の中ではもっと光が入ると思っていたんですが。でも、やはりやって良かったのかも。
全体的に白いイメージなのもあるのか、随分広々とした感じがします。
そうですか。
先ほどお話しした雑誌の切り抜きは、こうやってちぎって(笑)。今は減ったんですけど、こういうのを見てイメージが固まると家具なんかを買ったりします。これはトラックという大阪にあるオリジナルの家具屋さんなんですけど。半年待ちとかになる家具を作っている方なんですけど。
ここまでごちゃごちゃした感じは難しいけど、今はどちらかというと、こういうイメージにしたいなというのがあって。その前はですね、この人の家の雰囲気が私のお手本でもあったんですけど。ドアノブとかをインターネットとかで探して。リビングの扉も玄関のもそうです。雑誌に載っているのは本物のガラスで、買ったのはプラスチックなんですけど。全く同じものじゃなくても、イメージに近いものを買うことが多いですね。トラックの方が雑誌に出ると買うかな。
興味のあるものは、偶然知ったという感じですか。
立ち読みをしていると、違う雑誌の中でもだんだん自分の目が止まる所が決まってくるじゃないですか。そうなると、またこのお店が出ているなとか、そういうのが割りとありますね。あと全然関係ないこういう本を手に取って、参考にしたりとか。
なるほどー。
私はここまでゆったりというか、スローな生活はできないし、してないんですけど、もしかするとそういうのが理想なのか、日々の生活を楽しむ、みたいな。日常が楽しければいいというような。
だいたいこういう雑誌を?
立ち読みとかで気になる雑誌を探したい、というのはあるんですけど、今のところそれほど気になる雑誌が無いので、定期購読はしていないです。たまたま本屋で出会って買った、というようなものが多いですね。
ご自身で色々な雑誌を見て、これだというイメージが固まっていくんですか?
一旦固まって、でもこの辺からこっちに揺らぎ始めると、また本屋さんに行って、という。
一旦落ち着くと、しばらくは無いですが。でも、常に見ています。何かないか、何かないか、何が違うだろう?という感じで見ています。
飲食店に行っても、味の美味しさよりも、お店の雰囲気を見たくて探す、ということもあります。美味しいものを食べる時はそれがメイン、なんだけどもそうじゃないときは、このお店の雰囲気をマネできないかな、というように見ることは多いと思いますね。
<取材後記>
普段使っているもので使い勝手が悪くても、日常的に利用しているものはそれが普通になり特に問題意識を持たないようなことが多いが、今回取材した方は自分のコダワリのポイントをよく把握しており、これから○○にしたい、という自分の中の優先順位がしっかりとある方だった。
話していても、明るくオープンでそれがとても自然体であり、非常にチャーミングな親近感の湧く方で、部屋に現れている「オープン・清潔・コダワリ」の印象そのものの人であった。
また、本記事中には掲載していないが、洋服・化粧などは控えめだが明るいものが多く、自分に似合うもの、好きなものをしっかりと把握している方だ。
高収入の人が多く、人気エリアに住んでいる方らしく、消費も積極的ではあるが、無駄使いをしている、という感じが一切無い。
消費活動で印象的だったのは、個別のモノに個別に惹かれるのではなく、あくまでも自分の好きな全体の雰囲気を優先しており、その中で、欲しいものの中から好きな全体の雰囲気に合うものを選択している。
例えば、キッチンのシンク周り、調理器具、家具などなど。
身につける化粧品・洋服等もそのように選択しているようだ。
また機能的な面、見た目の美しさなどについても、両方をかね揃えたものを積極的に選択している。
ルクルーゼなどはその代表格と思われる。
一方で、「オープン・清潔・コダワリ」の反対にあるものへの嫌悪感もとても強い。
お風呂場や洗面台の湿気の多さ、鏡や蛇口周りの汚れ。
現状ではなかなか解決策を講じるのが難しいこれらに対しては、家の中全体の雰囲気にそぐわなくても機能優先で解決したいと思っている。
家族のことを中心におきながらも、自分のこともとても大切しており、そのバランス感覚がとても優れており、かつそのバランス感覚が部屋の中にしっかりと反映されている方であった。
この記事をシェアする