ETHNOGRAPHY
小林茂雄 著「ストリート・ウォッチング」
書籍紹介オススメの本たち。
編集長の近藤です。
今回はオススメの本のご紹介です。
誠信書房
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ご存知の方も多いかと思いますが、少し前(と言っても1980年代・90年代頃)、路上観察学会という団体が(特に個人的に)とても話題になりました。
初めて知ったのは確か90年代後半、自分が学生だった頃でした。
その学会の発表する作品たちに非常に衝撃を受け、路上観察学会のメンバー達から放たれる数々の珠玉の本を夢中で読んでいたのを覚えています。
演出を加えた空想の世界のお話も楽しいのですが、一方、路上観察学会から飛び出してくる作品は自分の生活と地続きのリアリティのある空間やモノが、見方を変えると、また特定の知識や知見や経験があると、とてつもなく面白いものになる、そんな体験を味わせてくれました。
それら10〜30年前の本達は、今見返しても色あせることなく、私の仕事デスクの近くに、そして自宅の本棚のいい場所に存在しています。
現代生活図鑑というサービスの大きなテーマになっている「人間観察」の素になっているものと言っていいと思います。
今回ご紹介するのは、そんな「路上観察」「人間観察」の現代版楽しみ方指南書とでもいうべき本です。
誠信書房
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題名にもあるように、心理学にも言及しており、「路上観察」の面白さにプラスして「人間観察」本としてもとても楽しめる本です。
写真・図での解説もとても多く、また文章も柔らかいため、非常に分かりやすく頭と身体にすっと入ってくる本でした。
著者の小林茂雄さんという方、恥ずかしながらこの本で初めて知りました。
東京都市大学建築学科の先生で「街に描く―落書きを消して合法的なアートをつくろう」というこれまた非常に興味深い本も出されてます。
※小林先生のサイト
小林研究室|東京都市大学建築学科 Kobayashi lab. Tokyo City University
この本を読んで、昔路上観察学会を知ってワクワクした「観察」の面白さを改めて思い出させてくれ、暇があるとついついスマホのスクリーンを凝視してしまうクセを戒めてもくれます。
仕事にも活用でき、また日常の生活をちょっと楽しくさせてもくれる「観察」の基本に立ち返らせてくれ、街に繰り出したくなる、そんな本です。
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