COLUMN

MBO、KPIとOKR 〜組織の目標管理について考える〜

KPIの策定に関するプロジェクトがいくつか重なって、年末年始にいくつか本を読んだので整理をしたいと思います。ちなみに弊社には、KPIと比較されるMBOはありますが、正直いい感じに機能はしていないという印象です。

f:id:gri-blog:20200131150244p:plain:w400

読んだ本

 

目標管理をやる目的は、緊急でないけど重要なことを思い出すためだと思います。そしてそれらに期限を設け、成功 or 失敗のフィードバックを得て前に進めることが出来るためです。凡人はつい、目先の緊急なクライアントワークに没頭してしまって、1年経ってあれ自分は今年何を成し遂げったっけな?って思ってしまったりしたりしなかったりすると思います。現時点で今年の目標の1/12が達成出来ていると言えない時点で、もちろん私も他人事ではないです。

そうならないためにどうすればいいか?結論としては、OKRのやり方をマスターして実践するのが良さそうです。OKRはミッションドリブン型のクリエイティブよりの組織にも使えるKPIの進化形みたいなもので、3つくらい大切なポイントを挙げると、

・指標が目的とセットである

・半分はボトムアップで決め、途中で修正可能

・1サイクルは四半期程度

があります。

導入を検討するにあたって本を一冊読むとしたら、『OKRシリコンバレー式で大胆な目標を達成する方法』クリスティーナ・ウォドキー (著)が良いと思いました。

書籍レビュー


簡単にレビューします。

『OKRシリコンバレー式で大胆な目標を達成する方法』クリスティーナ・ウォドキー (著)

ROIが最大の一冊を読むとしたら、これだと思います。 OKRとは何かから、どう運用していけばいいかまで書いてあるのことがおすすめです。

『Measure What Matters 伝説のベンチャー投資家がGoogleに教えた成功手法 OKR』ジョン・ドーア (著)

これは、OKRという手法を形にしたアンディ・グローブの言葉や事例が載っているの点がおすすめです。 二冊目に読むならこれです。

『「管理会計の基本」がすべてわかる本 第2版』金子智朗 (著)

管理会計を一通り理解するには、この本が分かりやすかったです。

『PIXAR 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話』ローレンス・レビー (著)

各部署のKPIをトップに向かって集約すると会社の財務情報等になると思います。KPIが馴染むカルチャーと馴染まないカルチャーの会社があると思っており、馴染まなそうな会社の代表としてはクリエイティブなPIXERみたいな会社です。そんな会社をCFO目線で見たらどう見えるのかということに興味があり読んでみました。ただ、ジョブズとローレンス・レビーは制作チームに口出しをしないことにしたとあり、KPIの参考にはならなかったです。読んで単純にとまらなくなるほど面白かったのはこの本である。

MBOとKPI, OKRとは


MBOとKPIとOKRの関係について整理してみます。

MBO

MBOは多くの人が知っているかもしれません。一年とか半年に一回目標を立てるやつである。先輩に一年前のMBOをもらって適当に修正して出したりするアレです。なんとなく、つい70%くらいの力で達成できる目標を書いたりしてしまったりして、見返すと形骸化していて意味を成さなかったりします。

頻繁に更新しないために停滞したり、タコツボ化という罠にはまることもあった。

中略

致命的だったのは、ほとんどの企業がMBOを給与や賞与と連動させたことだ。 リスクを取ることがマイナス評価につながるのなら、なぜわざわざリスクを取る必要があるだろう。

『Measure What Matters 伝説のベンチャー投資家がGoogleに教えた成功手法 OKR』 ジョン・ドーア (著)

 

実現しやすくなる目標の原則に、SMARTの法則があります。ちゃんとこの法則に沿って目標を立てている場合、MBOももう少しうまく使いこなせるのかもしれません。

  • S 具体的
  • M 計測できる
  • A 達成できる
  • R 価値観に沿った
  • T 時間軸がある

 

KPI

KPI (Key Performance Indicator)は、KGI (Key Goal Indicator)を達成するためにどのプロセスを踏んでおけば良さそうか、の指標である。長大な組織がトップダウンで隅々まで業績管理していく必要がある場合、KPIはマッチするのかもしれないが、クリエイティビティが求められる組織には向かないかもしれない。

また、KPIを売上よりも利益からトップダウンで落とし込む方が目的に沿うことがあります。特にモノを売るビジネスでは、大きく展開すればするほど規模の経済が効いてくるので、損益分岐点がどこかを意識して今年度の計画を立てKPIを設定するということをする。というとき、ある程度の管理会計の知識が必要になってきます。管理会計とは、意思決定のための会計なのだそうです。 手っ取り早くKPI&管理会計のことを知りたい場合、『2時間でわかる図解KPIマネジメント入門』堀内智彦 (著) がおすすめです。この本は、最初に限界利益や機会損失などの説明が書いてあり、後半にKPIの設定方法や具体例まで書いてあります。 成功するポイントについては以下のように書いてあります。

また戦略マップから、落とし込んでビジネスを整理しKPIにしたい場合は、『KPIで必ず成果を出す目標達成の技術』 大工舎 宏 (著), 井田 智絵 (著) が参考になりました。

事例についてです。 限界利益額や在庫回転率などのメジャーなKPIだけでなく、もう一歩踏み込んでひと捻りしたKPIの事例は、以下のようなものがありました。

・提案依頼書獲得数

・定期的にメンテナンスで来店する顧客数(サイクルベースあさひ)

・売上の新製品寄与率(小林製薬)

・ありがとう率(SBI証券)

『人と組織を効果的に動かす KPIマネジメント』楠本 和矢 (著)

 

OKR

次に、OKRです。

f:id:gri-blog:20200131150248p:plain:w250
OKRの例 『Measure What Matters 伝説のベンチャー投資家がGoogleに教えた成功手法 OKR』 ジョン・ドーア (著)

 

OKR (Objectives and Key Results)は、KPIの進化形とも言えると理解しました。Objective (O)は定性的なものをひとつだけ、Key Results (KR)は定量的なものを3つくらい決める。これらを使って、グループや個人を大胆なゴールに集中させる。Oは一定期間(たいていは四半期)のゴールを定める。KRは、期間の終わりにOを達成できたかどうかを判定するのに使う。

目標(O) 重要で、具体的で、行動を促し、人々を鼓舞するようなもの

主要な結果(KR) 具体的で時間軸がはっきりしており、意欲的であると同時に現実的だ。測定可能で検証可能でなければならない

『Measure What Matters 伝説のベンチャー投資家がGoogleに教えた成功手法 OKR』 ジョン・ドーア (著)

 

Objectiveから定める部分などからも分かるように、会計的な視点よりもまず、会社のミッションからObjectiveにブレイクダウンし、更にKey Resultsを決めていく。単に売上の数字目標を押し付けられるのではなく、Objectiveが先にあるのでみんなで同じ方向に向かっていけるしモチベーションを維持しやすい。『OKRシリコンバレー式で大胆な目標を達成する方法』クリスティーナ・ウォドキー (著) に良くない”O”とObjectiveがどんなものかについてこうある。

売上30%アップ なぜダメなのか。それは、KRにすべき内容だからだ。

Oは次の文を満たすひとつの文とする ・定性的で人を鼓舞する内容にする

・時間的な縛りをつくる

・各チームが独立して実行できるようにする

『OKRシリコンバレー式で大胆な目標を達成する方法』クリスティーナ・ウォドキー (著)

Key Resultsに関してはKPIに似ている点もあり、KRが満たすべき条件は以下のようにあります。

「重要な結果指標」が満たすべき条件

・「目的」への結びつき

・計測可能

・容易ではないが達成可能

・重要なものに集中

『本気でゴールを達成したい人とチームのためのOKR』奥田 和広 (著)

OKRの特に何がいいかというと、やはり緊急でないが重要な事柄に対して指標と期限を設定できるということです。実際のプロジェクトのタスクなど緊急なことは通常勝手に遂行されていく。しかし大きなビジョンを見据えgrowthしていく場合、重要な事柄のことを常にに考えているかが重要で、そのための仕組みとしてOKRは有用であると言えます。

まとめ


まとめとしては、会社が目指している方向性を揃えてOKRをやるといいよってことです。

かくいう私も、目標を立てて満足するタイプであるし、管理されずにできればPIXERの制作チームみたいなところでゼロイチを作る仕事をしてみたいとも思ったりもします。

この記事をシェアする