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【G検定コラム】法律を守っていても問題になる? ― データ倫理の重要性

AIやデータ分析は、人間を補助できる重要な技術です。一方で、その活用方法を誤ると、個人や社会に不利益をもたらす可能性があります。リスク因子を意識し、安全に使用することに徹しなければいけません。

データ活用において重要なのは、法律を守ることだけではありません。法規制は必ずしも技術的な発展に追いついておらず、すべての社会的リスクに適切に対処できない場合があります。実際、近年では、「法的には問題がなくても、倫理的には問題がある」と批判されるケースが増えています。

例えば、個人情報保護法などの法令を遵守していたとしても、プライバシー侵害や特定の集団に不利益を与えるプロファイリング、差別・偏見を助長するAIの利用は、倫理観を厳しく問われるような被害が生じる可能性があります。

代表的な事例として、2019年に、就職情報サイトの運営会社が、本人の同意なく、就活生の内定辞退率をAIで予測し、その予測結果を何十社もの企業へ有償提供していました。当時の法制度に違反していなくても、「本人が十分に認識しないまま評価され、それにより将来の機会が制限される可能性がある」という倫理的な観点から強い批判を受けました。

このような背景から、近年では「データ倫理(Data Ethics)」の重要性が高まっています。データ倫理とは、単に法律を守るだけではなく、プライバシーの尊重、差別や偏見の防止、利用者に不利益を与えない、AIの透明性確保、といった観点から、データやAIを適切に扱うための考え方です。

以下の文献によると、データ倫理は、①データの倫理、②アルゴリズムの倫理(AI 倫理)、③実践の倫理という3つの軸からなるとされます。

’What is Data Ethics?’ Philosophical Transactions of The Royal Society A Mathematical Physical and Engineering Sciences, Volume 374, Issue 2083, December 2016.

データ倫理には、データをビジネスに活用する事業者が意識すべき企業倫理、データサイエンスの研究者が意識すべき研究倫理などがあります。そして、一般市民も一人ひとりもデータ倫理への理解を深めることが求められています。

私たちは日常的にAIサービスを利用する中で、自身の個人データが(時には無意識に)取得・提供されている可能性があります。自分のデータがどのように利用されているのかを知ることは、プライバシーや権利を守り、正しい判断ができるための第一歩となります。

yan
データ分析官・データサイエンス講座の講師 「G検定」の分野で講師と著者として活動しております。 著書には以下のものがあります。 ◯ディープラーニングG検定(ジェネラリスト)最強の合格テキスト[第2版] [徹底解説+良質問題+模試(PDF)] /  ◯ディープラーニングG検定(ジェネラリスト)最強の合格問題集[第2版] [究極の332問+模試2回(PDF)]
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